「足の指が浮いていてうまく力が入らない」「浮き指を放置するとどうなるの?」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。浮き指の状態を放置していると、歩くとき足に正常な力が加わらず、巻き爪や陥入爪などさまざまなトラブルにつながる可能性があります。
今回の記事では、浮き指になる原因や放置するリスク、治し方、予防方法などについてご紹介します。浮き指を改善して健康的な身体を守りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
浮き指とは
浮き指とは、歩いているときや立つときに足の指が地面に接地しない状態のことです。人間は本来、足の指を地面につけて踏ん張ることによって、まっすぐ歩いたりよい姿勢になります。浮き指になると、足にうまく力が入らず歩行や姿勢が崩れてしまうのです。
浮き指の確認方法
浮き指かどうかを確認するためには、以下のチェック方法を試してみてください。
- 平らな床にまっすぐ立ち、顔を正面に向ける
- A4用紙や下敷きなどを、誰かに足の指の下に差し込んでもらう
- 足の指の下に抵抗なく差し込めるなら、浮き指の可能性あり
上記のチェック方法以外にも、以下のような項目を確認していずれかに該当する場合は、浮き指になっている可能性があります。
- 足の親指が直角に反る
- 足の指の背部分にタコがある
- 指の根元の皮膚だけが分厚くて硬い
浮き指の原因
浮き指になる原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 足に合わない靴
- 正しくない靴の履き方
- かかとに重心をかけた立ち方、歩き方
- 運動不足による足の指の筋肉低下
- 内科疾患 など
足に合わない靴や誤った歩き方、運動不足などが原因となっている場合は、これらの習慣を改善することで症状が和らぐ可能性があります。一方で病気や先天的な足の変形などが原因の場合、セルフケアだけでの改善は困難であるため、病院で適切な治療や指導を受ける必要があります。
浮き指を放置するリスクは?身体に及ぼす悪影響
ここからは、浮き指を放置するリスクについてご紹介します。
姿勢が悪くなる
浮き指になると足の指に力が入らず、かかと部分に重心が傾いた姿勢になります。この状態が続くと、以下のような悪い姿勢が癖になってしまう恐れがあるのです。
姿勢 |
特徴 |
---|---|
猫背 |
座った猫のように背中が丸くなっている姿勢 |
反り腰 |
腰が反った状態 |
ストレートネック |
前傾姿勢を続けることで、首の頚椎がまっすぐになってしまった状態 |
O脚 |
両膝が外側に湾曲した状態 |
上記のような姿勢が癖になると、身体に痛みや疲労などさまざまなトラブルが生じる原因となります。
身体にこりや痛みが生じやすい
浮き指になると、前述したように姿勢が悪くなってしまいます。悪い姿勢だと身体のバランスを保ちにくく、身体を支えるために不自然な力が入り、以下のような痛みやこりが生じやすくなるのです。
- 首こり
- 肩こり
- 頭痛
- 膝痛
- 坐骨神経痛
- 成長痛
- 生理痛の悪化 など
また身体のバランスが正常でない状態が続くと、椎間板ヘルニアなどになる可能性もあります。
巻き爪になりやすい
浮き指になると、歩行時に足全体に正常な圧力がかからなくなるため、巻き爪になりやすいといわれています。巻き爪とは、爪への過度な負担などによって爪の先端が内側に巻き込んだ状態のことです。
陥入爪になる可能性がある
陥入爪とは、爪が変形して皮膚に食い込み、炎症を起こす状態のことです。浮き指になると、足の爪に正常な力が加わらず爪が変形しやすくなるので、巻き爪だけでなく陥入爪になるリスクも高くなります。
反対に、陥入爪の痛みが浮き指の原因になることもあります。陥入爪の痛みをかばうために指に力を入れない歩き方をしていると、巻き爪が進行し、陥入爪がより悪化するのです。「陥入爪→巻き爪の進行→陥入爪の悪化」という悪循環になることもあるので注意しましょう。
浮き指の改善方法は?自宅でできるセルフケア
ここからは、浮き指を改善するために自宅でできるセルフケアについてご紹介します。
ストレッチを行う
浮き指を改善するためには、足裏全体の筋肉をほぐすストレッチを行うのがおすすめです。ストレッチは、以下の手順で試してみてください。
- 椅子に座り、右足を左ももの上に乗せる
- 左手の指を右足の指の隙間に挟み、足の甲側につま先を反らせて10秒キープ
- 足裏側につま先を曲げて10秒キープ
- 右足の小指と親指を左右に軽く引っ張り、指の間を広げた状態で10秒キープ
- 指を元の位置に戻す
- 反対側の足も同様に行う
上記の動作を、左右で3回ずつ行いましょう。入浴しているときに行うと、よりよいストレッチができます。
トレーニング・エクササイズを行う
浮き指を改善するために、タオルを使ったエクササイズを行うのもおすすめです。エクササイズのやり方は、以下を参考にしてください。
- 床に置いたタオルの上に足を乗せる
- 足の指を内側に曲げてタオルをつかむ
- タオルをつかんだまま足の先端を浮かせて、タオルを離す
1~3の動きを繰り返して、だんだんタオルを手前に引き寄せましょう。タオルをつかむ際は、足のすべての指を使うように意識してみてください。
サポーターやテーピングを活用する
指の変形を矯正するために、サポーターやテーピングを活用するのもおすすめです。足全体のアーチを改善するタイプのグッズであれば、浮き指だけでなく扁平足や外反母趾の改善にもつながります。
インソールを利用する
インソールとは、靴の中敷きのことです。インソールを靴のなかに入れて歩くと、靴のなかで足の指が浮かずに足裏のバランスを保てます。その結果、足裏全体に力を入れる歩き方を身につけ、自然と浮き指の改善になります。
オーダーメイドのインソールが好まれますが、最近は市販品にもいろいろなインソールが販売されています。まずは、そちらを試してみるのもよいでしょう。
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浮き指を予防する生活習慣
ここからは、浮き指を予防するための生活習慣についてご紹介します。
足に合った靴を正しく履く
浮き指を防止するためには、以下のようなポイントに注目して靴を選んでください。
- つま先に余裕がある
- 足指の上部分に余裕がある
- 足の甲(足首)がしっかり固定できる
靴の選び方だけでなく、正しい履き方も身につけましょう。靴を履く際にはかかとの部分をトントンと叩き、足首と靴をしっかりフィットさせた状態で靴ひもなどで固定しましょう。こうすることで歩行時に足が靴のなかで動くのを防ぎ、足裏全体に正常な力が加わるようサポートできます。
足裏全体に体重をかけて立つ・歩く
浮き指を予防するためには、正しい姿勢や歩き方もチェックしてください。歩いているときは、いつもよりも後ろの足に体重を残すよう意識しましょう。こうすることで、自然に足の指が床について、足裏全体に体重をかけようとします。
定期的に運動をする
運動不足で足を動かしていないと、足裏への力が加わらず浮き指の原因となります。そのため、定期的に足を動かす運動をするのがおすすめです。ウォーキングやランニングをする際には、足に合った靴を着用しましょう。
浮き指がなかなか改善しない場合は、医療機関を受診しよう
上記でご紹介したようなトレーニングなどを試しても、なかなか浮き指が改善しない場合は、整形外科や整骨院、整体院などの医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。医療機関では、足に合ったインソールの提供や歩き方、靴の履き方などの指導が受けられます。
まとめ
今回は、浮き指になる原因や放置するリスク、治し方、予防方法などについてご紹介しました。浮き指を改善するためにインソールを使用したい場合は、オーダーメイドインソール「HOCOH(ホコウ)」の活用がおすすめです。
また、浮き指に起因して巻き爪になっている場合は、巻き爪矯正器具である「ネイル・エイド」を使用しましょう。ネイル・エイドは着脱しやすい仕様なので、初心者の方でも扱いやすいです。健康的な足を守るために、このようなアイテムをぜひチェックしてみてください。
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【監修 埼玉医科大学 形成外科 簗由一郎医師】