巻き爪や陥入爪になったら、どこに行けば良いの?何科で治療?病院orサロン?【医師が解説】

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巻き爪や陥入爪になったら、
どこに行けば良いの?

病院・クリニック・治療院・ネイルサロン
何科?診療科 探し方

このwebサイトでは、予防から治療まで様々のセルフケアを紹介しています。巻き爪治療の市販品も数多く販売され、多くの巻き爪はご自宅でも治療できる状況も整いつつあります。

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しかし、自分でやるのは難しい方や、セルフケアをしても良くならないような巻き爪や陥入爪の場合、治療施設を受診する必要があります。 そんな時、どこに行けばよいのか迷うと思います。

病院が良いのか、クリニックがよいのか、何科を受診すればよいのか、また医療機関以外の施設でもよいなかなどの疑問を解決したいと思います。 Googleで「巻き爪 治療」「陥入爪 治療」と検索すると様々な施設が表示されます、その選び方・探し方のポイントについて解説します。


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【記事執筆】
埼玉医科大学 形成外科  医師 簗 由一郎

経歴・業績(自己紹介) と メディア出演歴
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専門医のワンポイントコメント

一般的に「陥入爪」と「巻き爪」という言葉は混同して使われている場合がありますが「陥入爪」と「巻き爪」は別の状態を表します。

 

  • 陥入爪=爪甲が側爪郭に陥入し炎症を引き起こした状態
  • 巻き爪=爪甲が彎曲した状態

簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/basic/#s5

巻き爪(陥入爪)の治療を行っている施設

巻き爪(陥入爪)の治療を行っている施設は大きく分けると以下の施設があります。

(1)病院・クリニックなどの医療機関(形成外科・皮膚科・整形外科・外科など)
(2)医療機関以外の施設(接骨院・整骨院・巻き爪治療院・ネイルサロンなど)

(1)は医療機関なので、セルフケアの指導、矯正治療、抗菌薬や痛み止めなどの内服薬・軟膏などの外用薬の処方、手術まで全ての医療行為が可能です。また治療によって生じた合併症などのトラブルにも医学的に対応してもらえます。

一方(2)の施設は、医療機関以外なので医療行為はできません、可能なのは、セルフケアの指導と、体への侵襲が少ない矯正治療のみとなります。また矯正によって生じた医療的トラブルへの対応できないという問題点あります。そういった意味で、一番安心できるのは、医師が治療をする病院やクリニックを受診することです。

ただ全ての病院やクリニックが親身になって適切な巻き爪治療をしてくれるか?と言われれば、必ずしもそうではないのかなという現状があります。なので、巻き爪を専門とした接骨院やいわゆる治療院や治療センターと称される巻き爪治療の専門施設が数多く存在している状況があり、医療機関の補完的な役割を担っているとも考えられます。

周囲の発赤と肉芽形成:(抗生剤の投与と、爪に対する処置が必要な状態です)

どこを選択するかで、重要なポイントは(2)の医療機関以外の施設は処置や投薬などの医療行為はできないということです。

なので、巻き爪となっている指に、傷や肉芽などが出来ている場合や、指全体が腫れて化膿していたり、強い痛みがある場合は、それに対する治療ができる病院やクリニックを受診する必要があります。(これらの症状は陥入爪の状態といえます)

糖尿病や透析をされている方は注意が必要です。

また、ご自身に糖尿病や透析などの病気、または皮膚や爪の病気などがある場合は、(1)の医療機関を第1選択にした方が安心だと思います。

医療機関の診療科としては「形成外科」「皮膚科」「整形外科」で診察してくれる場合が多いです。ただ、どの診療科も巻き爪を適切に治療してくれるかは、担当してくれる先生が巻き爪や陥入爪の治療をどのぐらい経験しているかによるところも大きいです。

佐々木病院
私の勤務病院:HPに巻き爪治療の紹介があります。

HPなどを調べて、巻き爪や陥入爪の事が掲載されているような病院やクリニックであれば、間違いないと思います。

医療施設の探し方

巻き爪や陥入爪の治療を得意にしている医療機関は、HPでも巻き爪についてしっかりと記載している場合が多いように思います。逆にHPに巻き爪のことが一切触れられていないのにも関わらず巻き爪に詳しいというパターンはほぼないように思います。

まずはgoogle検索で、「巻き爪 地域名」「陥入爪 地域名」で検索してみてください。比較的大きい都市であれば、複数の医療機関が出てくるので、それぞれのHPを確認すると良いと思います。

あまり大きい都市でないと、広告対策がしっかりしている非医療機関の施設などがしか出てこない場合もあります。そいうった状態で病院を探したい場合は、google マップでお近くの病院やクリニックのHPを順番に確認するという方法も有効です。

一般的に巻き爪や陥入爪を診てくれる可能性の高い診療科は、「皮膚科」「形成外科」「整形外科」などになるので、それらを中心に探すと良いでしょう。

近くの病院やクリニックのHPを見ても、巻き爪の事について掲載がない場合、それでも巻き爪や陥入爪の対応してくれる可能性の高い診療科は「形成外科」だと思います。

ただ比較的大きめの総合病院には形成外科がありますが、クリニックや中規模の病院ではない場合もあるので探すのは難しいかもしれません。

特に根治的に手術をして欲しい!という場合は様々な手術治療を専門としている「形成外科」を受診することをお勧めします。

総合病院には形成外科がある場合が多い
総合病院には形成外科がある場合が多い

形成外科の探し方として、「形成外科」はまだ認知が低く、googleマップで検索しても、他の整形外科や外科なども検索結果に表示されて、うまく見つけられない場合があります。

その場合は「総合病院」で検索し、お近くの病院のHPで「形成外科」があるかを順番に確認した方が早いかもしれません。

次に選択する診療科は、「皮膚科」の先生が良いと思います。
皮膚科の先生であれば、仮に爪の水虫などが原因で巻き爪になっていた場合、もとの疾患も含めて治療してくれると思います。

ただ手術には対応しない場合が多いのがデメリットです(手術が必要な場合は、紹介してくれれば問題はないです)。
「整形外科」の先生も、巻き爪の治療をしてくれる場合も多いので、次は整形外科も探してみてください。
外科や内科の開業医の先生が、ご自身で勉強して巻き爪の治療を得意にしている場合もあります。

形成外科、皮膚科、どちらに行けば良いの?

手術や痛みを取り除く外科的処置なら形成外科、爪の病気も心配なら皮膚科、を受診するという基本方針で良いと思います。ただ診療科よりも担当する先生がどれだけ、巻き爪治療に積極的かというのも大きく関係しているのは事実です。病院探しは私も難しいと感じています。

巻き爪の矯正治療を行っている
病院の探し方:参考サイト

以下のwebページで、巻き爪の矯正治療を採用している病院を探すことができます。
ここに掲載されてる医療機関は、巻き爪に治療に力を入れている可能性が高いと思います。 参考にして下さい。(一部情報が古い医療機関もあるようです)

・弾性ワイヤーによる治療(多摩メディカル)
https://tama-medical.com/

・3TO(VHO)による治療
https://www.vho.jp/vho/medical/index.html

・ネイルエイドによる治療
こちらを参照ください

また、巻き爪の治療に特化した先生や医療機関を見つけることは難しいですが、各種学会のホームページも参考になると思います。

・日本形成外科学会
https://jsprs.or.jp/
形成外科専門医の先生を探すことができます。
手術を希望される場合は、形成外科専門医の先生いる病院が良いと思います。

・日本フットケア学会
https://jfcpm.org/
フットケア指導師の在籍病院などを探す事ができます。
様々なフットケアを経験していますので、巻き爪の相談も対応してくれる可能性が高いと思います。

・日本皮膚科学会
https://www.dermatol.or.jp/
皮膚科専門医を探すことができます。疾患についての情報も豊富です。
巻き爪以外の爪や皮膚の病気を併発している場合は皮膚科専門医の先生のいる病院が安心です。

・教えて足病先生
https://ashibyo.com/
まだ新しいサイトですが(2021年1月時点)、足に詳しい先生方が積極的に情報発信をしています。

・足育研究会
https://www.sokuiku.jp/index.html
活動の一つに「足のかけこみ寺」になる事をを掲げており問い合わせにも積極的に対応してくそうです。

各学会に問い合わせフォームがあるので、そこで相談を受けてくれる学会もあると思います。積極的に相談してみてください。

医療機関がみつからない場合

痛みが少なく、爪が巻いているだけが主な症状な場合、矯正治療を行っていない病院やクリニックだと様子を見るようにとだけ言われ終わりになってしまう場合もあるかと思います。

お近くに巻き爪矯正を行っている病院やクリニックを見つける事ができない場合や、曜日や時間の関係で医療機関の受診が難しい場合、基礎疾患のない方は(2)非医療機関の施設で矯正してもらうのも選択肢の一つかもしれません。

通院回数と費用の確認が大事です

厳密にいうと、症状のない巻き爪は、病気(疾患)でないと判断され、治療の対象外となってしまう場合があります。

疾患でないので、矯正治療に健康保険が適応されないというのも同じ理由です。

昨今の医療財政のひっ迫をみるとやむを得ない部分もあるのかもしれません。

ただ、こういった巻き爪矯正の専門施設は、患者さんが定期的に通院することが前提になっているような施設もあります

矯正力がマイルドな方法しか採用がなく、長期の通院治療が必要になる場合もあります。(これは医療行為ができないため、合併症が少ない治療法を選択しているという理由もあります)

また、本来は手術適応になるような場合でも手術の事は説明されず(ひどい場合は手術のデメリットのみを強調し)続けて通院するように誘導するような施設もあるので、そういった点には注意が必要と考えています。

1回の治療もそれなりの金額となる場合が多いので、頻回の通院や長期の通院が必要となる場合は、他の治療法も検討しても良いと思います。
こちらの問い合わせフォームから私に相談してもらっても大丈夫です)

治療を始める前に、矯正終了までの通院期間とトータルの費用を確認することが重要です。

巻き爪の矯正治療は、足の環境が変わらなければ、人により期間は様々ですが、また巻いてきます。なので、高い費用をかけて矯正しても、また巻いてくる可能性が高いということを念頭に治療を選択することも大事です。
(巻き爪の予防についてはこちらを参考にして下さい)

長期間治らない場合について

矯正やケアで長期間治らない場合は、手術や他の治療法についても説明してくれるようなところが良いと思います。担当の方に一度相談してみて下さい。

もちろん、巻き爪を診てくれる医療機関が少ない現状では、概ね立地の良い場所にある、こういった施設も上手に活用すれば、患者さんの疼痛緩和に役立つのではないかとも考えています。

適切なケアをすれば、巻き爪の痛みはひとまず改善することが多いと思います。
(巻き爪の患者さんを多くみているので、そういった意味では経験も豊富であるとも思います)

また、最近はネイルサロンでも巻き爪のケアを積極的に取り入れているところもあるようです。巻き爪のケアにはグラインダーで爪を整えたりする場合がありますが、ネイリストさんはそういった手技や器具の取り扱いになれているという点では良いのかもしれません。

私が開発したネイルエイドも含めて、巻き爪の矯正器具がいろいろ市販されています。医療行為が必要のない巻き爪矯正は、繰り返し高い費用が必要となるのであれば、市販品をご自身で試すことも検討しても良いと思います。

まとめ

このページでは、巻き爪や陥入爪になった時にどこで治療してもらうのが良いかを解説しました。巻き爪や陥入爪の治療するのであれば、「形成外科」「皮膚科」「整形外科」がおすすめです。

医療機関のHPで巻き爪治療を積極的に対応してくれるかを確認するとより良いと思います (文中リンクの矯正器具のHPも参考にする)。

長期間同じ治療をして改善がない場合、手術を含めた別の方法も検討した方が良いと思います。

わからない事はこちらでお気軽にご相談下さい。