自分で治す巻き爪矯正、市販品の比較5選【医師が解説】

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自分でできる巻き爪矯正、
市販品の比較

違いは?効果はあるの?口コミは?痛いの?

巻き爪を矯正する器具がいくつか市販されています。そういったものを利用すれば、病院受診をせずに、ご自分のセルフ矯正で巻き爪治療が可能です。楽天市場やヤフーショッピング、アマゾン、 ヤフオクなどで検索するといくつかの矯正器具が販売されています。

・ヤフーショッピング
「巻き爪矯正」のランキングこちら

・楽天市場
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症状がひどい場合は、病院やクリニックを受診することをお勧めしますが、病院受診が難しい場合はご自身で使える巻き爪対策用のグッズを試してみるのも良いと思います。爪の状況にもよりますが、痛みなく簡単に装着できるものも多く、値段も抑えられており、費用対効果が高いのも特徴です。巻き爪治療を安い費用で気軽に試したい方は検討の価値があると思います。

私も患者さんにおすすめできる器具がないかと思い、さまざまな巻き爪グッズを試してみました。なかなか満足のいくものがなかったため、ネイル・エイドという矯正器具を開発しました。病院で使用して好評でしたので一般販売に協力しています。

なのでもちろん、私自身はネイル・エイドを1番にお勧めするのですが、 爪の状態によっては、他社製の市販対策グッズも効果的な場合もあると思います。代表的な矯正グッズについていくつか紹介し、私自身が実際に使ってみた感想や、どんな方におすすめできるかなども、ご紹介します。

※市販以外の矯正治療(弾性ワイヤーやVHOなど)については別記事で詳しく解説しているので参考にして下さい


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【記事執筆】

埼玉医科大学 形成外科  医師 簗 由一郎
経歴・業績(自己紹介) と メディア出演歴
取材・出演依頼はこちら(メディアの方へ)  

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代表的な市販の巻き爪矯正グッズ

代表的な市販の巻き爪矯正グッズ
代表的な市販の巻き爪矯正グッズ
左から、
①ネイルエイド®
②巻き爪ブロック®
③巻き爪ワイヤーガード®
④まきづめリフト®
⑤ドクターショール®(巻き爪用クリップ)

(1)ネイル・エイド®

商品名 ネイル・エイド®
サイズ 14mm/16mm/18mm 3種類
(ミニサイズあり 12mm/10mm/8mm)
装着スペース 爪先端に約1mmのスペースが必要
矯正力 耐久力
装着のしやすさ フィット感
付け外し可能 装着時の安定性(保護なし)
厚い爪 装着時の安定性(保護あり)
変形が高度な爪 価格

こんな方におすすめ!

はじめから確実に治したい方や他の器具でうまく矯正されなかった方

ネイル・エイド16mmサイズ
写真は16mmサイズ
ネイル・エイド横からの撮影
横からの撮影:上下で爪を挟む

(1)ネイル・エイド®は、今までの矯正器具の弱点を補うために、私が開発した商品です。もちろん良い点もありますが克服できなかったデメリットもあります。

特徴としては、矯正力が強い、厚い爪に使える(比較的爪を選ばない)、付け外しができる、靴を履いても邪魔にならないなどの良い点があります。

一方、矯正力が強いため、慣れるまで装着が難しく感じる点や、 目立たず邪魔にならないのは良いのですが、紛失のリスクがある点、 他の矯正器具と比べて価格が高い点がデメリットと感じています。

価格に関しては、繰り返し使用できることを考慮すれば、 逆にメリットと捉える事もできます。
(私自身が責任を持って販売後のfollowをしているため、専門医の相談を受けながら 治療がすすめられるのも大きなメリットだと思います)

矯正力がしっかりしているので、自分で治すセルフ矯正以外にも、大学病院からクリニックなどの医療機関、フットケアサロンなどの非医療機関にも広く採用されています。

詳細については別ページで詳しく紹介しています。

(2)巻き爪ブロック®

商品名 巻き爪ブロック®
サイズ SS/S/MS/M/L
装着スペース 爪の側面に余裕が必要
強度 ノーマル/ハード/スーパーハード/ウルトラハード
矯正力 △~〇 耐久力
装着のしやすさ フィット感
付け外し可能 × 装着時の安定性(保護なし)
厚い爪 装着時の安定性(保護あり)
変形が高度な爪 価格

こんな方におすすめ!

爪が薄く、また爪の端が肉に埋もれておらず、足元のおしゃれを重視する方

巻き爪ブロック Mサイズ ハードタイプ
写真は Mサイズ ハードタイプ
巻き爪ブロック フック部分の拡大
フック部分の拡大

(2)巻き爪ブロック®は、爪の両側にフック状のばねをひっかけるタイプの矯正器具です。爪の側面に装着するため、皮膚に食い込んでいるようなタイプの巻き爪では装着が難しいです。またサイズや矯正力などの選択が多様です。原則繰り返し使用はできないので、4か月毎の交換が必要です。

矯正力がやや弱いので、厚い爪や変形が強い爪では期待した効果が得られない場合も 多く経験します。そもそも爪が厚いとフックの部分が引っかけられない場合があります。一方、ピンクゴールドのワイヤーを採用したり、形状がシンプルで目立たないのは良い点だと思います。1個あたりの費用もお手頃なので、爪の変形が軽く薄い爪の女性の方などは、一度試してみても良いかと思います。

(3)巻き爪ワイヤーガード®

商品名 巻き爪ワイヤーガード®
サイズ 1種類
装着スペース 爪先端に約2mmの余裕が必要
矯正力 耐久力
装着のしやすさ フィット感
付け外し可能 装着時の安定性(保護なし) ×
厚い爪 装着時の安定性(保護あり)
変形が高度な爪 価格

こんな方におすすめ!

まずは低価格で巻き爪の矯正を試してみたい方

巻き爪ワイヤーガード 17mm
サイズは1種類のみ 17mm
巻き爪ワイヤーガード 側面
側面:この隙間に収まる爪が適応。フック下側が爪と皮膚の間に入る(約2mmの余裕が必要)

(3)巻き爪ワイヤーガード®は、ニッケルチタンの形状記憶合金のワイヤーの両端にプラスチック製のフックがついている矯正器具です。このフック部分を爪の先端にひっかけて、 外れないようにテープで固定することで爪に装着します。

爪に接するフックの部分が、シンプルなコの字状の固いプラスチックなため、爪が薄いと 緩くなってしまい、爪が厚いとそもそも装着できないというデメリットがあります。

そのためテープ固定が必須で、専用のテープが付属しています。サイズは1種類で横幅が17mmになります、女性などの小さめの爪だと装着できない場合や、 プラスチック部分に厚みがあるため靴などで圧迫されて痛む場合などに注意が必要です。

一方、プラスチックとワイヤーを接着固定しているため同部位の強度にやや不安がありますが、作りがシンプルでニッケルチタンによる矯正力も期待できます。爪が厚すぎず小さすぎない男性が、テープ固定することを前提に使うのは、価格も安いですし、お試しするのに良いと思います。ドラッグストアなどにも広く流通しています。

(4)まきづめリフト®

商品名 まきづめリフト®
サイズ フリーサイズ
装着スペース 爪先端に約2.5mmのスペースが必要
矯正力 耐久力
装着のしやすさ × フィット感
付け外し可能 装着時の安定性(保護なし)
厚い爪 装着時の安定性(保護あり)
変形が高度な爪 価格

こんな方におすすめ!

他の器具だと爪の大きさが合わな方、親指以外に使いたい方

まきづめリフト ワイヤーと可動性フックの組み合わせ
ワイヤーと可動性フックの組み合わせ
まきづめリフト 側面
側面:この隙間に爪が入る、下側のフックには返しがついて、外れにくいようになっている。
爪に約2.5mmのスペースが必要。
厚い爪は入らない

(4)まきづめリフト®は、ニッケルチタン製のワイヤーに、ステンレス製のフックが 4か所ついている矯正器具です。最大の特徴はこのフックが自由に移動できる点です。ワイヤーの長さは3cmと十分に余裕があるので様々な大きさの爪に対応でき、 フックの位置を調整することで親指以外の爪に使用することも可能です。

反面、フックの位置調整や、余ったワイヤーのカットが必要なので、装着に手間がかかる点が難点です。またフックがやや大きいので、爪を2.5mmほど伸ばす必要がある点、爪に厚みがある場合は事前にやすりなどで爪を薄くする必要がある点にも注意が必要です。

NiTi製の形状記憶合金が使われているので矯正力もしっかりしています。爪の大きさを選ばないので、比較的爪が薄く、爪が十分の伸びている場合や、親指以外の爪を矯正したい場合などには、おすすめできると思います。

(5)ドクターショール®(巻き爪用クリップ)

商品名 ドクターショール®(巻き爪用クリップ)
サイズ S(14.5mm)/M(16.5mm)/L(18.5mm)
装着スペース 爪先端に約3mmのスペースが必要
矯正力 耐久力
装着のしやすさ フィット感
付け外し可能 装着時の安定性(保護なし)
厚い爪 装着時の安定性(保護あり)
変形が高度な爪 価格

こんな方におすすめ!

爪が長く伸びている方で、器具の付け外しをしたい方

ドクターショール 表面
表面 写真はLサイズ
ドクターショール 裏面
裏面 フックが計4か所あり
ドクターショール 側面
側面 フックの長さ3mmあり
その分爪の余裕が必要、フックは広がるが厚い爪には使いにくい

ドクターショール®(巻き爪用クリップ)は、銅をベースとした形状記憶合金を使用した矯正器具です。ニッケルチタンに比べるとやや矯正力が落ちますが、加工が可能なためクリップ状のS折り返しを作り、その部分に爪を挟み固定することが可能となりました。

クリップ部分の隙間がやや狭いので、厚い爪に装着するのが難しく、厚い爪に無理に装着していると、クリップの折り返し部分に負担がかかりクリップ部分が破損して使用できなくなります。

また、高度な巻き爪に場合、材料に使用している金属の耐性に耐えられず曲がった状態クセがついて矯正効果が少なくなってしまう事もあるようです。クリップ部分の折り返しが少し長めな(3mm)ので、爪を余裕をもって伸ばしておく必要があります。

少し厚みがあるので靴を履いた時にやや圧迫される場合もありまが、クリップ部分を爪に挟むという、単純な構造のため、装着は分かりやすいと思います。爪がある程度伸びている厚みの少ない軽い巻き爪に使用するのに適していると思います。お値段が少し高いですが、繰り返し使える事を考えると そこまで負担ではないかなと思います。

商品名
ネイルエイド 巻き爪ブロック 巻き爪ワイヤーガード まきづめリフト ドクターショール
サイズ 3種類※1 16種類 1種類 フリー 3種類
矯正力 △~〇
装着のしやすさ ×
装着に必要なスペース 先端に1㎜ 側面 先端に2㎜ 先端に2.5㎜ 先端に3㎜
付け外し可能 ×
厚い爪への装着
高度な巻き爪への装着
耐久性
フィット感
装着時の安定性(保護なし) ×
装着時の安定性(保護あり)
価格 ※2 ※2

※1 ミニサイズあり12mm/10mm/8mm
※2 繰り返し使用できることは考慮せず

その他の市販巻き爪ケア用品

爪の表面に器具を貼り付けるタイプの矯正器具

Dr.巻き爪テープ

爪の表面に器具を貼り付けて、爪を矯正するタイプ器具が、何種類か市販されています。私は基本的にはこのタイプの矯正に関しては懐疑的です。よほど強い接着を得られないと爪の変形に負けてしまうと思います。

柔らかめの爪で、かつ爪の表面がしっかり接着できるように凹凸がないような爪には 少しは効果があるかと思います。爪に接着する前にアルコールなどで爪の油分をしっかり落としてから貼り付けると剥がれにくいとは思います。

専門医のワンポイントコメント
似たような治療で、B/Sスパンゲ®という矯正治療があります。これはセルフケアはできないので、サロンなどで治療をしてもらいます。こちらは市販品よりしっかり接着しているので、厚すぎない爪には少しは効果があると思います。ただこれも金具を使った矯正器具にくらべれば効果が落ちると思います、効果が少ないと感じたら他の治療を検討した方が良いと思います。

テープによるケア用品

巻き爪 テープによるケア用品

巻き爪専用をうたった、テープケア用品も何種類か市販されています。これは爪自体を矯正するのではなく、皮膚を押し付けたり引っ張たりすることで、爪が皮膚を刺激している状態を緩和することで痛みをケアする商品です

巻き爪の状況によっては効果がある場合がありますが、一次的な効果にとどまる場合が多いと思います。また、上記の目的であれば、100円ショップなのでテーピング用のテープを購入すれば、同じような効果が得られるとも思います。使いやすい形状に一枚ずつカットしてあるので、そういった意味では使いやすいとは思います。高いものではないので、気になれば一度使ってみてもよいかもしれません。

まとめ

このページでは、巻き爪グッズの市販品を、矯正器具を中止に詳しく解説しました。それぞれの器具に特徴があるので、形状などを確認して、 ご自身にあった器具を使ってみて下さい。

巻き爪の矯正治療には正しい知識が重要になります。このサイト全体をご覧いただくと、爪の解剖、自分で出来るセルフケアから手術まで、 巻き爪の予防から治療までを詳しく解説しています。 ぜひしっかり学んで、正しい巻き爪の知識を身につけましょう。またわからない事はこちらでお気軽にご相談下さい。