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ご相談ありがとうございます。

巻き爪も少しありますが、爪の巻きに関してはそこまでひどくないような印象です。
こういった状態は「巻き爪」ではなく、「陥入爪」の状態となります。

巻き爪と陥入爪の違いについての解説
https://medical-media.jp/basic/#s5

言葉の定義は大きな問題ではないですが、
爪の端が皮膚に食い込んで、傷になっている状態です。(=陥入爪)

皮膚をテープで引っ張ると、爪と皮膚が少し離れるので、症状が緩和されるので、テーピングで若干の効果があるというのはそういうことです。

治療のポイントは、皮膚に食い込んだ爪をどうにかするという事になります。

私が開発したネイルエイドを含めて、爪の先端に装着するタイプの矯正治療はもう少し爪が伸びないと装着が難しいと思います。なので、矯正するとすれば、3TOーVHOに代表される爪の端にフックの金具をひっかける方法か、爪の表面にプレートを貼る方法だと思います。

矯正治療の解説
https://medical-media.jp/treatment/#s3

ただ、頂いた写真のような爪は、若干爪の幅も広めなので、矯正で爪を広げても、広げた爪が皮膚に食い込みやすい状態になり、同じような環境で運動をしていると、また爪が食い込んでしまう可能性も高いです。

また、基本的に巻き爪の矯正治療は、矯正を止めるとすこしずつ爪は元に戻ります。これが歯の矯正治療とは同じではないということです。

なので、私の外来受診された場合は、今回のような爪の場合、矯正治療はあまりお勧めしないかもしれません。

とりあえず爪の端が悪さをしているのは確実なので、テーピングで改善が得られなければ、まずは

(1)局所麻酔下に爪の端を部分的にカットする処置をします。これで一旦は傷が落ち着きます。(この処置の場合は爪母を処理してないので、爪がまた同じ様に生えてきます。この処置は通常手術とは呼ばないですが、施設によってはこれを手術と呼んでいる場合もあるので確認が必要です。)。爪がまた伸びてくるので、その時に同じように悪さをする場合もありますし、痛みなくまた元に戻る可能性もあります。なのでまずはこの処置をして、

(2)再発するようなら、爪の幅を狭くする手術を検討するという2段階で対応することが多いです。

足の環境が同じであれば、爪の状態が元にもどれば、また同じ様に再発する可能性があるという点や、再燃した時にまた通院するのが大変ということであれば、はじめから(2)の手術をする場合も多いです。

(1)爪甲部分カットについての解説記事
https://medical-media.jp/treatment/#s2-3

繰り返しになりますが、(1)を手術としている場合があるので、注意が必要です。(1)は麻酔をして処置をしますが、爪母は処理しないので、爪が伸びてくると再発の可能性も高いです。これを手術と定義して、手術は再発しやすいからやめた方が良いという、情報には注意が必要です。

また、爪が伸びないということですが、この爪の状態で爪が伸びないというのは考えにくいので、
おそらく自分で爪をいじって、むしったりしている可能性もあそうです。それが原因で陥入爪になっていそうな印象もあります。そのような事にも配慮が必要かもしれません。

保存治療や場合によって爪甲カットで、傷を落ち着かせて、爪をいじるクセや、靴などを含めた足の環境を整えて、足先に負荷を減らすことで、再発を予防して、元の爪に戻していこう。
という考え方もありますし

スポーツを含めた足の負荷を取り除くのが難しいことや、それに伴う爪に違和感を理由の一つかもしれない爪をいじるクセなどを、改善させていくのは時間もかかるし困難と判断して、早めに爪の幅を狭くする手術を検討する
という考え方もあると思います。

私は外科医ですので、どちらかというと後者よりの考え方です。

追加のご質問があればお願いします。

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