足の爪を押すと痛い...。なぜ?考えられる原因や、痛みの対処法をご紹介
「足の爪を押すと痛い……」「靴を履くと足の爪が痛くて歩けない」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。足の爪を手で押すと痛みを感じる場合、何らかの疾患が原因となっている可能性があります。
今回の記事では、足の爪を押したときに感じる痛みの原因や、痛みの対処法などについてご紹介します。足の爪を押すと痛かったり、靴などに圧迫されると痛かったりする方は、ぜひ参考にしてみてください。
足の爪を押すと痛い原因は?
まずは、足の爪を押すと痛かったり、靴などに圧迫されると痛かったりするときに考えられる主な原因についてご紹介します。
巻き爪(特徴:爪が彎曲している)
巻き爪とは、爪が内側に彎曲している症状です。巻き爪になる原因には、以下のようなものが挙げられます。
- 先天的な骨格の影響
- 扁平足、外反母趾などの影響
- 爪が乾燥している
- 歩き方に問題がある
- 歩く量が少ない
- 不適切な靴の履き方をしている
- 足に合わない靴を履いている
- 間違った爪切りをしている
巻き爪の原因には、誤った爪切りや歩き方などの生活習慣の他に、先天的な骨格の影響などがあります。原因を見極めたうえで、適切な治療を受けましょう。
巻き爪による痛みの対処法
巻き爪の症状が軽い場合は、次のようなセルフケアをして様子を見るとよいでしょう。
- 矯正グッズを使う
- 正しい爪切りを行う
- 自分の足に合った靴を履く
- 歩く機会を増やす
- 歩き方を見直す
- 爪の保湿を習慣にする
- ネイルをしている場合は、改善するまでお休みする
ネイルをしている方は、マニキュアや除光液の作用で爪が乾燥しやすいので、巻き爪が治るまではネイルをお休みしましょう。
巻き爪の痛みが激しい場合などは、皮膚科や形成外科、フットケア外来で診察を受け、治療を受けてください。病院での治療法としては、以下のようなものが挙げられます。
- クリップを用いた矯正治療(クリップ法)
- ワイヤーを用いた矯正治療(ワイヤー法)
- プレートを用いた矯正治療
- ガター法
- 爪の部分切除
- 手術治療
陥入爪(特徴:爪が両端の皮膚に食い込んでいる)
陥入爪とは、爪が両端の皮膚に食い込むことによって、腫れや痛み、化膿、傷などが生じる症状です。巻き爪と異なって、陥入爪の場合は爪が必ずしも巻いているとは限りません。
陥入爪になる原因としては、深爪が挙げられます。また、巻き爪によって彎曲した爪が皮膚に食い込み、陥入爪を併発することもあります。さらに、日ごろから間違った靴選びや履き方、歩き方をしていると、陥入爪になるリスクが高くなります。
巻き爪と陥入爪は別の病態を示している言葉ですが、お互い関連性が深いものとなります。
陥入爪による痛みの対処法
陥入爪の症状が軽度な場合は、以下のようなセルフケアで様子を見るのもひとつの手です。
- 爪を伸ばし、正しい爪切りを行う
- 自分の足に合った靴を正しく履く
- 歩き方を見直す
- 巻き爪の矯正を行う
爪を切る際には、端が食い込まないよう角を少し残して切りましょう。また、陥入爪の原因が巻き爪の場合は、巻き爪を矯正することで改善する可能性が高いです。市販の矯正グッズもあるため、試してみましょう。
ただし陥入爪に強い痛みや腫れ、化膿、肉芽などの症状がともなっている場合は、すぐに病院を受診すべきです。原因や症状にあわせた、保存的治療・外科的治療を行ってもらえます。
爪周囲炎・ひょう疽(特徴:爪の周囲に発赤や腫れがある)
爪の周囲に赤みや腫れが見られる場合、爪周囲炎・ひょう疽の可能性があります。爪周囲炎とは、爪の周囲にある皮膚に細菌が入り込み、炎症を起こす症状です。爪周囲炎の原因には、以下のようなものがあります。
- ささくれ
- 深爪
爪周囲炎を防止するためには、深爪を避けたり、保湿を徹底したりすることが重要です。
爪周囲炎による痛みの対処法
痛みを感じる部分を冷やすことで、押したときの痛みが緩和する可能性があります。患部が化膿している場合は、受診するまで毎日泡で洗い、きれいな水でしっかり流しましょう。爪周囲炎を放置すると悪化する恐れがあるため、できるだけ早めに皮膚科などを受診してください。
爪下出血(特徴:爪が黒や紫に変色している)
足の爪が黒や紫に変色している場合、爪下出血を起こしている恐れがあります。また足の指先が骨折または打撲している場合も、爪に強い痛みが生じます。
爪下出血による痛みの対処法
打撲や骨折を放っておくと症状が悪化する恐れがあるので、すぐに病院を受診しましょう。爪下出血の場合、たまっている血を抜いてもらうことで、痛みが改善する可能性があります。
グロムス腫瘍(特徴:爪に赤み・青みがかった部位がある)
グロムス腫瘍とは、爪の根元部分にできる良性腫瘍です。爪に赤みや青みがかった部分ができたり、変形や痛みが生じたりする特徴があります。
グロムス腫瘍による痛みの対処法
グロムス腫瘍は、手術治療で腫瘍部分を摘出するのが一般的です。グロムス腫瘍の発症が疑われる場合、すぐに形成外科を受診しましょう。
外骨腫
外骨腫とは、 骨幹端部(骨の端)にツノのように膨隆する(膨らんで盛り上がる)腫瘍です。外骨腫は、原発性骨腫瘍のなかで最も多い骨の腫瘍です。この腫瘍が爪の下にある骨(末節骨)に発生すると痛みをともないます。
外骨腫の治し方
外骨腫の治療は、手術によって腫瘍を摘出する方法が一般的です。発症が疑われる場合は、速やかに形成外科を受診してください。
足の爪を押すと痛い場合、病気が潜んでいる可能性も
足の爪を押すと痛い場合、爪白癬(爪水虫)や爪部悪性黒色腫などの病気が潜んでいる可能性もあります。爪白癬とは、白癬というカビの一種が爪に感染する疾患です。中高年の男性に多く見られ、症状が悪化すると爪が白っぽく濁ったり、過度に分厚くなったりします。
爪部悪性黒色腫とは、爪に発生するがんのことです。初期段階では軽い変色や変形などが見られる程度ですが、重度になると爪や爪の周囲が黒くなり、わずかな刺激でも細菌感染や出血を起こしやすくなります。
爪白癬(爪水虫)や爪部悪性黒色腫が疑われる場合は、症状が悪化する前になるべく早めに病院を受診し、適切な治療を受けましょう。
足の爪の健康を維持する方法
ここからは、足の爪の健康を維持する方法についてご紹介します。
適切な爪切りを行う
足の爪の健康を維持するためには、適切な爪切りのやり方を身につけるのが大切です。爪切りのポイントは、以下を参考にしてみてください。
- 爪の形はスクエアカット(四角い形)にする
- 爪の長さは皮膚の高さと同じくらいにする
- 割れ爪や深爪を防ぐため、少しずつカットする
- お風呂上がりなど、爪がやわらかいタイミングで行う
- 爪が割れやすい場合は、爪切りではなく爪やすりを使う
爪を短く切りすぎる深爪の状態は、さまざまな爪トラブルの原因となります。爪を切る長さや頻度に注意して、適切な長さをキープできるようにしましょう。
正しい爪切りを行うためには、爪切りの選び方も重要です。選択のポイントは以下の2点です。
- 直刃
- よく切れる
切れ味が悪いと爪が割れたり、爪の断面が段差になり引っかかったりするなどの問題がおこります。
爪の清潔を保つ
爪の細菌感染を防ぐために、お風呂などでしっかり爪の隙間を洗浄して清潔に保ちましょう。また洗浄したあとは、爪を保湿することも忘れないでください。爪の保湿には、ネイルオイルやハンドクリームなどを使用するのがおすすめです。
足に合った靴を正しく履く
爪の健康を維持するためには、靴の選び方に注意する必要があります。爪トラブル予防におすすめの靴の特徴は、以下のとおりです。
- つま先に余裕がある
- 足指の上部分に余裕がある
- 足の甲(足首)がしっかり固定できる
また靴の選び方だけでなく、履き方にもポイントがあります。靴を履くときには、かかとの部分で地面をコンコンと叩き、靴に足首をしっかり密着させてから靴ひもなどで固定しましょう。かかとと足首が靴に固定されていれば、歩行時に足が安定し、足トラブルを防げます。
歩き方にも注意する
靴の選び方や履き方が正しくても、歩き方が誤っていれば爪への負担が大きくなります。爪トラブルを防ぐための正しい歩き方は、以下のとおりです。
- つま先が前へ向くように、足を正面に出す
- かかとから着地し、重心を足の裏全体にかける
- 上半身が前に出るときに重心を小指にかけ、反対の足が前に出るタイミングで重心が親指にかかるようにする
- 蹴り出すときは、親指を押す
歩く際には、頭のてっぺんが糸で引っ張られているイメージで、まっすぐした姿勢をキープすることも重要です。
まとめ
今回は、足の爪を押したときに感じる痛みの原因や、痛みの対処法などについてご紹介しました。足の爪を押すと痛い場合、何らかの病気が潜んでいる可能性があるため、放置せずに病院を受診しましょう。
なお巻き爪や、巻き爪が原因の陥入爪の場合は、矯正器具である「ネイル・エイド」の使用をおすすめします。ネイル・エイドは着脱しやすいので扱いやすく、矯正力に優れている点が特徴です。巻き爪や陥入爪をケアしたい方は、ぜひチェックしてみてください。
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【監修 埼玉医科大学 形成外科 簗由一郎医師】