足の爪の変形・変色が気になる!考えられる症状・病気や治し方について解説
「足の爪が変形している」「足の爪が変色する原因は?」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。足の爪が変形・変色している場合、何らかの病気が潜んでいると考えられます。
今回の記事では、足の爪が変形・変色した際に考えられる症状・病気や、治し方などについてご紹介します。足の爪の変形・変色にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
足の爪が変形・変色する原因は?考えられる症状・病気
まずは、足の爪が変形・変色する原因についてご紹介します。
巻き爪(陥入爪)
足の爪が変形・変色する原因として、巻き爪や陥入爪が考えられます。巻き爪とは、爪が内側に巻き込んでいる症状です。一方陥入爪は、爪が両端の皮膚に食い込むことによって、腫れや痛み、傷、化膿などが生じる症状を指します。陥入爪の場合は巻き爪と異なり、爪が必ずしも巻き込んでいるとは限りません。
巻き爪が生じる原因としては、以下のようなものがあります。
- 先天的な骨格の影響
- 扁平足、外反母趾などの影響
- 爪が乾燥している
- 歩き方に問題がある
- 歩く量が少ない
- 不適切な靴の履き方をしている
- 足に合わない靴を履いている
- 間違った爪切りをしている
巻き爪の原因には、間違った歩き方や爪切りなどの生活習慣の他に、遺伝的な骨格の影響などがあります。
陥入爪の主な原因は、深爪や間違った靴選び・歩き方です。また、巻き爪によって陥入爪を発症することもあります。
巻き爪(陥入爪)の治し方
巻き爪(陥入爪)の症状が軽度の場合は、以下のようなセルフケアを試して様子を見るのもよい でしょう。
- 正しい爪切りを行う
- 自分の足に合った靴を履く
- 歩き方を見直す
- 爪の保湿を習慣にする
- ネイルをしている場合は、改善するまでお休みする
- 歩く機会を増やす(巻き爪の場合)
- 矯正グッズを使う(巻き爪の場合)
とくにネイルをしている場合は、ジェルや除光液の作用によって爪が乾燥しやすいため、症状が治るまではネイルを控えましょう。
巻き爪(陥入爪)の痛みが強い場合などは、皮膚科や形成外科、フットケア外来などを受診し、適切な治療を受けましょう。
爪水虫
爪水虫とは、白癬と呼ばれる種類のカビが爪に感染する症状です。中高年の男性に多く見られ、症状が進行すると爪が白く濁って見えたり、分厚くなったりします。またわずかな刺激でも爪が割れやすくなり、割れた部分から細菌の感染が広がるリスクが高くなります。
爪水虫の治し方
爪水虫が生じた場合、殺菌作用期待できる内服薬や外用薬を用いた治療が行われます。症状が疑われる場合、早めに皮膚科などで診察を受けましょう。
爪甲鉤彎症・肥厚爪
爪甲鉤彎症・肥厚爪とは、爪が異常に分厚くなり、フックのように前方に曲がる症状です。爪甲鉤彎症・肥厚爪の原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 指先のケガ
- 抜爪手術
- つま先の狭い靴の着用
- 繰り返される爪への外的な刺激 など
爪甲鉤彎症・肥厚爪は爪水虫と混同されることもありますが、爪水虫と異なり爪が分厚く硬くなる点が特徴です。
爪甲鉤彎症・肥厚爪の治し方
爪甲鉤彎症・肥厚爪は、セルフケアではなく病院での治療が必要です。爪が肥厚している部分を削り取り、テーピングなどで正常な爪を伸ばす治療法が行われます。
二枚爪
二枚爪とは、爪甲が先端部分で薄く剥がれる症状のことです。二枚爪の原因としては、爪の乾燥や外部からの刺激などが考えられます。乾燥しやすい冬の時期は、二枚爪に悩まされる方が多くなります。
二枚爪の治し方
二枚爪は、軽度の場合セルフケアで改善が期待できます。セルフケア方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- マニキュアやジェルネイルを控える
- 水仕事の際は手袋をする
- 爪をしっかり保湿する
- 透明なトップコートを塗って爪を保護する
- 鉄剤を内服する など
このように、爪に潤い成分を与えてしっかり乾燥から守ることが重要です。
爪が分かれる症状には、一枚の爪が二つに分かれる二枚爪のほか、一枚の爪の下から別の爪が生えてくる重複爪(じゅうふくそう)があります。重複爪は爪の圧迫などが原因で、どちらかというと肥厚爪と成因がにています。
爪甲縦裂症
爪甲縦裂症とは、爪が縦方向に裂けた状態のことです。爪甲縦裂症の原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 指の循環障害
- 甲状腺機能異常
- マニキュアや化学物質などの外部刺激
- 皮膚疾患 など
爪甲縦裂症の治し方
爪甲縦裂症の原因が何らかの外部刺激である場合は、そのような刺激が爪にかからないように対策をします。また患部にステロイド外用薬を塗布し、症状の改善を図るのが一般的です。
ステロイド外用薬を2~3ヶ月使用しても改善しない場合は、爪甲下に腫瘍ができている可能性があります。その場合は、腫瘍の検査をしたうえで、腫瘍が見つかればその治療を行います。
爪乾癬
爪乾癬とは、過剰に爪の細胞が増殖する疾患です。爪がデコボコと陥没したり、変色・変形したりする症状が見られます。
爪乾癬の原因ははっきりとは明らかになっていませんが、一般的に以下のような要因が組み合わさって発症するとされています。
- 遺伝的な要素
- 食事や飲酒、喫煙などの生活習慣
- 免疫機能の異常
- ストレス など
爪乾癬にかかるのは女性よりも男性の方が多く、30代後半から発症するケースが多いです。
爪乾癬の治し方
爪乾癬はセルフケアでは改善が見込めず、医療機関で治療を受ける必要があります。病院では、一般的に以下のような治療が行われます。
- 塗り薬:炎症を抑えることが期待できるビタミンD3などを含んだ塗り薬を処方
- 光線療法:患部に紫外線を照射し刺激を与える
- 飲み薬:免疫抑制剤、レチノイド製剤、PDE4阻害剤などを使用
- 注射剤:塗り薬と併用した注射治療
爪扁平苔癬
まず扁平苔癬とは、皮膚や口腔粘膜などで生じやすい、慢性炎症性疾患のことです。扁平苔癬が爪で生じた症状のことを、爪扁平苔癬と呼びます。しかし、扁平苔癬が爪に起こるのはまれなケースです。
爪扁平苔癬になると爪甲に縦向きの亀裂が生じ、爪甲が剥がれたり薄くなったりする症状が見られます。体内の免疫組織に異常が生じ、皮膚や爪が攻撃を受けることが原因であるとされています。
爪扁平苔癬の治し方
爪扁平苔癬の治療では、爪母で生じている炎症を抑制するため、ステロイド外用薬などが使用されます。複数の爪で炎症が起きている場合は、ステロイドの内服薬が併用されることもあります。
爪甲剥離症
爪甲剥離症とは、爪の先が皮膚から離れ、白っぽく見える症状のことです。男性よりも女性に多く、カビのひとつであるカンジダや接触皮膚炎、尋常性乾癬などが原因となります。
爪甲剥離症の治し方
爪甲剥離症の治療では、剥がれている部分の爪を切除したうえで、カンジダが原因であれば抗真菌薬を使用します。カンジダが検出されない場合は、ステロイド外用薬を爪床に塗布します。
グリーンネイル
グリーンネイルとは、緑膿菌と呼ばれる細菌の繁殖によって爪が緑色に変色する症状のことです。深爪やネイルの放置などによって緑膿菌が爪の隙間に侵入し、繁殖することが原因とされています。
グリーンネイルの治し方
グリーンネイルの症状が爪の表面部分で見られる場合は、ネイルなどを取り除き、爪を清潔に保つことで自然治癒するケースがほとんどです。爪の内部に緑膿菌が入り込んでいる場合は、完治するまでに1年以上かかることもあります。
足の爪が変形・変色した場合、何科を受診すべき?
足の爪が変形・変色した場合は、以下の診療科を受診しましょう。
- 皮膚科
- 形成外科
- フットケア外来
上記のうち、皮膚科とフットケア外来では手術によらない保存的治療を受けられることが多いです。保存的治療で改善が見られない場合には、形成外科にて根治的な手術を行うことになります。
まとめ
今回は、足の爪が変形・変色した際に考えられる症状・病気や、治し方などについてご紹介しました。足の爪が変形・変色した場合は、何らかの疾患が潜んでいる可能性もあるため、病院を受診して原因を突き止めるのが重要です。
なお軽度の巻き爪(陥入爪)によって足の爪が変形している場合は、矯正器具である「ネイル・エイド」を用いたセルフケアをおすすめします。ネイル・エイドは矯正力が高く、変形の進んだ爪にも使用可能です。軽度の巻き爪・陥入爪にお悩みの方は、これ以上変形を悪化させないためにも、ぜひ試してみてください。
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【監修 埼玉医科大学 形成外科 簗由一郎医師】