子どもの巻き爪の原因・対処法とは?治し方や予防方法もご紹介
「子どもが巻き爪になったらどうしたらよいの?」「子どもが巻き爪になる原因は?」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。足が成長する子どもの時期は、靴のサイズや運動量などの原因によって巻き爪になる可能性があります。
そこで今回は、子どもが巻き爪になる原因や対処法、治療法などについてご紹介します。子どもの巻き爪の原因や対処法を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
一般的に「巻き爪」と「陥入爪」という言葉は混同して使われている場合がありますが「巻き爪」と「陥入爪」は別の状態を表します。
この記事ではわかりやすいように一部「陥入爪」を含めて「巻き爪」という言葉で表現している場合があります。違いについての詳細は解説記事を参照してください。
- 巻き爪=爪甲が彎曲した状態
- 陥入爪=爪甲が側爪郭に陥入し炎症を引き起こした状態
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/basic/#s5
子どもの巻き爪の原因とは?
まずは、子どもの巻き爪の原因についてご紹介します。
原因1:足に合わない靴
子どもは足の成長が早いため、足に合わなくなった靴をいつまでも履いていると巻き爪の原因となります。つま先が圧迫されると、爪に大きな負担がかかって変形しやすくなるからです。また陸上やサッカーなどのスポーツをしている場合は、足の爪にかかる負担が大きいため巻き爪になるケースがあります。
さらに中高生になると、おしゃれのためにヒールやつま先の狭い靴を履く機会が増えます。これらの靴は爪への負担が大きいため、できるだけ使用を控えると良いでしょう。
原因2:正しくない爪切り
爪の切り方が誤っていると、巻き爪になりやすいです。とくにラウンドカットや深爪の状態が続くと、爪の端が皮膚に埋もれて、歩行時に爪にかかる圧力が大きくなります。外側からの圧力を受け、爪が内側に巻き込みやすくなるのです。
このような事態を防止するためには、日頃から爪を短くカットしすぎないように注意してください。
原因3:扁平足などの先天的な骨格の影響
遺伝による先天的な骨格などの影響で、巻き爪になりやすい子どももいます。もともと爪が薄い、扁平足などによって正しい歩き方が難しいなどの理由によって、生まれつき爪が内側に巻き込みやすいのです。家族に巻き爪の方がいる場合は、子どもの靴選びや歩かせ方によりいっそう注意しましょう。
原因4:歩く量の少なさ
近年の子どもは屋外で遊ぶ機会の減少により、歩く量が少ない傾向にあります。歩く量が少ないと、土踏まずの機能が低下して重心が足の内側に集中し、巻き爪をはじめとした足トラブルの原因となるのです。
このような事態を防ぐためには、日常的に外でよく遊んで、土踏まずの筋肉を鍛えることが大切です。
原因5:怪我の影響
足の怪我の影響によって、無意識に怪我をかばう歩き方をしてしまうと、爪に過度な負担がかかって巻き爪の原因となる可能性があります。子どもが足を怪我した場合は、怪我の影響が長引かないように速やかに治療をしましょう。
原因6:爪の乾燥
お肌と同様に、爪も乾燥すると脆く傷つきやすくなります。とくに、冬の寒い時期などは爪が乾燥して外部からの圧力を受けやすく、また爪の柔軟性がなくなるため、巻き爪のリスクが高まるのです。子どもの爪を乾燥させないために、お風呂上がりには保湿ケアをしてあげましょう。
子どもが巻き爪になった場合の対処法
ここからは、子どもが巻き爪になった場合の対処法についてご紹介します。
軽度であればセルフケアで様子を見てもOK
巻き爪の症状が軽い場合は、次のようなセルフケアを試してみてください。
- コットンパッキング法
- テーピング法
- 矯正グッズの使用
コットンパッキング法とは、皮膚と爪の隙間にコットンなどを挟みこみ、痛みを緩和させる方法です。テーピング法とは、絆創膏やテープを用いて皮膚と爪の間を開き、爪の食い込みを防止するやり方を指します。
爪の変形を解消するためには、市販の巻き爪矯正アイテムを使うのもおすすめです。なかでも「ネイル・エイド」は、初めて使用する方でも簡単に使いやすいため、ぜひ試してみてください。
痛みがある・化膿している場合は病院(医療機関)を受診する
巻き爪とともに痛みや化膿などの炎症がある場合は、皮膚科やフットケア外来、形成外科などの医療機関を受診しましょう。
病院に行くまでの間に、応急処置をしておくと症状の悪化を防ぐことができます。応急処置の方法は、上述したセルフケアのやり方を参考にしてみてください。
巻き爪に対応してくれる医療機関を探すのが難しい場合があります。病院の探し方について解説した記事も参考にして下さい。
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/column/when-it-becomes-an-ingrown-nail/
子どもの巻き爪の治療方法
ここからは、子どもの巻き爪の治療方法についてご紹介します。
矯正治療
病院で巻き爪の治療を受ける場合、巻き爪の症状が軽い場合は矯正治療を行うのが一般的です。矯正治療には、以下のようなものがあります。
- クリップを用いた矯正治療(クリップ法)
- プレートを用いた矯正治療
- ワイヤーを用いた矯正治療(ワイヤー法)
このようにクリップやワイヤー、プレートなどを用いて爪の形を元に戻していきます。
矯正治療について詳しく解説した、以下の記事もチェックしてみてください。
ガター法
ガター法とは、爪と皮膚の間にチューブを差し込んで、爪の食い込みから皮膚を保護する方法です。短くカットしすぎた爪をチューブの保護によって正常な向きに伸ばします。
チューブを付ける際には痛みが生じやすいため、局所麻酔をするのが一般的です。そのためガター法はセルフケアではなく、必ず医療機関で受けましょう。
爪の部分切除
巻き爪を治療する方法として、皮膚に爪が食い込んだ部分を切除するやり方もあります。爪の部分切除は、変形の程度が軽いケースや、爪が薄いケースなどがあります。一方で変形が進んでしまっている場合は、一部切除で根治的な解決にならないので注意してください。
爪の部分切除を自分で行うのは避けてください。皮膚と爪の隙間に傷ができると、細菌が増殖して症状が悪化する恐れがあるからです。独断で行うのではなく、フットケア外来や皮膚科を受診してください。
手術
巻き爪の症状が進んでいる場合は、より根治的な手術治療を行うケースもあります。巻き爪の手術の種類は、主に以下のとおりです。
- フェノール法
- NaOH法
- メスや剪刀(せんとう)で爪母や爪床を切除する方法
フェノール法とは、爪を形成する組織である爪母をフェノール剤で処理し、その部分から爪が生えてこないようにする方法です。またNaOH(水酸化ナトリウム)法は、爪が食い込んだ部分を切除したうえで、爪母組織にNaOHという薬品を用いて処理する方法を指します。
私の外来ではお子さんの巻き爪(陥入爪)の場合、まず保存的治療(テーピングやコットンパッキンなど)をします。これで改善しない場合、食い込んでいる爪を斜めにカットする治療を行います(食い込みの状況で局所麻酔を使う場合もあります)。
爪をカットすることで、いったん改善します。しかし、数ヶ月後に爪が伸びて再発することがあります。
再発を何度も繰り返す場合は、爪の幅を狭くする手術を検討します。ただし手術の場合、爪の幅が狭くなることは不可逆的なので、ご本人やご家族として相談して、ガター法を行う場合もあります。
ガター法は時間のかかる治療なので、運動系の部活など積極的に取り組んでいる場合は、早めに手術をして短期間で完治させるのも悪くないと、外科医である私は個人的に感じてます。
巻き爪に対応してくれる医療機関を探すのが難しい場合があります。病院の探し方について解説した記事も参考にして下さい。
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/column/when-it-becomes-an-ingrown-nail/
子どもの巻き爪の予防方法
子どもの巻き爪を予防するためには、以下のような点に注意しましょう。
- 正しい爪切りを教える
- 子どもの足に合った靴を選び、正しい履き方を教える
- 日常で歩く機会をつくり、正しい歩き方を教える
- 爪まわりの洗い方を教え、保湿するよう伝える
- マニキュアをしている場合は、改善するまでお休みさせる
- 扁平足・外反母趾の治療を受けさせる
巻き爪を防止するためには、正しい方法で爪を切ることが重要です。また日頃から歩くことを習慣にして、爪に適度な圧力をかけてください。爪を清潔にし、乾燥しないように保湿するのも忘れないでください。
巻き爪の予防については以下の記事でくわしく解説していますので、チェックしてみてください。
まとめ
今回は、子どもの巻き爪の原因や対処法などについてご紹介しました。子どもの巻き爪を防ぐためには、靴のサイズをこまめに変えたり、爪をしっかり保湿したりすることが重要です。
子どもの爪が軽度の巻き爪になってしまった場合は、巻き爪矯正器具である「ネイル・エイド」を使用しましょう。ネイル・エイドは矯正力があるうえに、着脱簡単な仕様になっているので初心者の方でも扱いやすいです。子どもの巻き爪を改善させて足の健康をサポートしたい方は、ぜひ注目してみてください。
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【監修 埼玉医科大学 形成外科 簗由一郎医師】