巻き爪の矯正治療とは?クリップ・プレート・ワイヤーを使用した方法をご紹介

ホーム 巻き爪コラム 巻き爪を”治す”(治療) 巻き爪の矯正治療とは?クリップ・プレート・ワイヤーを使用した方法をご紹介

病院で受けられる巻き爪の治療法としては、症状の程度によってさまざまな方法があります。なかでも症状が軽度の場合は、クリップやプレート、ワイヤーを使用して爪の形を正常に戻していく方法が主流です。

 

今回の記事では、巻き爪の矯正治療についてくわしくご紹介します。市販されている矯正器具についても解説していますので、巻き爪を改善させたい方はぜひ参考にしてみてください。

 

専門医のワンポイントコメント

一般的に「巻き爪」と「陥入爪」という言葉は混同して使われている場合がありますが、「巻き爪」と「陥入爪」は別の状態を表します。

この記事ではわかりやすいように一部「陥入爪」を含めて「巻き爪」という言葉で表現している場合があります。違いについての詳細は解説記事を参照してください。

 

  • 巻き爪=爪甲が彎曲した状態
  • 陥入爪=爪甲が側爪郭に陥入し炎症を引き起こした状態

 

簗医師の解説記事 https://medical-media.jp/basic/#s5

巻き爪の矯正治療は大きく3種類に分けられる

はだしの足元

巻き爪の矯正治療は、大きく以下の3種類に分けられます。

 

 

内容

初回治療費の目安

治療期間の目安

クリップを用いた矯正治療
(クリップ法)

矯正器具を爪の先端に装着し、爪の変形を元に戻す方法

約5,000~1万5千円

3~6ヶ月程度
(1~2ヶ月に1度の頻度で通院)

※セルフケアも可能

プレートを用いた矯正治療

金属や特樹脂を用いたプレートを爪の表面に接着させる方法

約5,000~1万5千円

6ヶ月程度
(1~2ヶ月に1度の頻度で通院)

ワイヤーを用いた矯正治療
(ワイヤー法)

爪の先端や爪の基部にワイヤーを装着して爪を矯正する方法

約5,000~1万5千円

3~6ヶ月程度
(1~2ヶ月に1度の頻度で通院)

 

上記では一般的な費用や治療期間を示しましたが、受診するクリニックの方針や爪の症状などによって費用および通院期間は異なります。くわしくは、治療を希望するクリニックに確認してみましょう。

クリップを用いた矯正治療(クリップ法)

治療前の問診の様子

クリップ法とは、クリップ状の矯正器具を装着することで、変形した爪を元に戻していく方法です。クリップ法は病院で受けられるほかに、セルフケア方法としても取り入れやすくなっています。

まきづめリフト®

「まきづめリフト®」とは、医療現場の声にもとづいて医師が開発した巻き爪矯正器具です。弾力性に優れたワイヤーが2枚重ねになっており、変形した爪を瞬時に押し上げます。3つの手順で装着が完了するので、初めてクリップを使用する方にもおすすめです。

ドクターショール®

「ドクターショール®」は、1904年にアメリカの医師が設立したフットケア専門のブランドです。巻き爪だけでなく、外反母趾や足の痛み、むくみなどさまざまな足のトラブルに対応したアイテムを展開しています。

 

ドクターショールの巻き爪用クリップには独自の形状記憶合金が採用されており、爪が正常の形に戻るまで一定の力を維持し続けられる点が魅力です。S~Lサイズの3種類が展開されているため、爪の幅にあわせた商品を選べます。

ネイル・エイド®

「ネイル・エイド®」は、耐久性と矯正力に優れているため、分厚い爪や変形の激しい爪にも使用できる点が魅力です。本体にはニッケルチタン合金を採用しているので、耐腐食性にも優れています。

 

器具も爪も加工不要でそのまま使用でき、初心者の方でも簡単に着脱可能です。装着したまま靴を履いても、痛みが生じにくい構造になっています。入浴や運動をしても問題ありません。

巻き爪ワイヤーガード®

「巻き爪ワイヤーガード®」は、形状記憶合金でできたワイヤーのフックを爪の両端にひっかけるだけで爪の変形の改善効果が期待できる製品です。製品には使い捨ての保護テープが付属しているので、衛生面を保ちながら長期間使用し続けられます。

 

専門医のワンポイントコメント

巻き爪を矯正するいくつかの器具が、ショッピングサイトで販売されています。

症状がひどい場合は、医療機関を受診することをおすすめしますが、症状が軽い場合や受診が難しい場合は、ご自身で使える巻き爪対策用のグッズを試してみるのも良いでしょう。

代表的な矯正器具を比較して、その特徴をまとめました。以下の記事も参考にして下さい。

簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/column/comparison-of-commercial-products/

プレートを用いた矯正治療

医師の治療を受ける様子

プレートを用いた矯正治療とは、特殊な樹脂や形状記憶金属を用いて制作されたプレートを爪の表面に接着させ、プレートの弾力により爪の変形を徐々に改善させていく治療法です。

 

クリップ法、ワイヤー法と比べると矯正力では劣りますが、見た目が目立ちにくい点が魅力です。なお自分だけで装着すると、接着させる作業で失敗するケースが少なくありません。プレート法で巻き爪を改善させたい方は、クリニックなどでプロの施術を受けましょう。

マチプレートMD®

「マチプレートMD®」は、チタン、ニッケル形状記憶合金でできたプレートです。常温ではやわらかくなり、およそ45度以上の温度になると平らな形になろうとする特性があります。

 

爪専用の接着剤を使ってマチプレートMD®を爪の表面に接着させ、1日1〜3回程度ヘアードライヤーを5〜10秒間ほどあてます。これを毎日繰り返すことで、爪の成長にともなって形が矯正されていくのです。

B/Sブレイス®

B/Sブレイス法は、ドイツで生まれた巻き爪矯正法のことです。「B/Sブレイス®」とは、特殊なグラスファイバーが平坦なプレート状になったものを指します。爪の表面に貼付すると、グラスファイバーの力によって爪の両端が押し上げられ、巻き爪の改善が期待できます。

 

B/Sブレイス®は、1ヶ月に1回程度の頻度で交換を行います。一般的に、6ヶ月〜1年ほどで症状の改善が見られるケースが多いです。

ワイヤーを用いた矯正治療(ワイヤー法)

治療に使うハサミ

ワイヤー法とは、形状記憶合金ワイヤーを使用して、変形した爪を元に戻す方法です。爪の両端に穴を開け、表面に沿わせるようにワイヤーを通します。爪の硬さや分厚さ、形などに応じてワイヤーの長さや太さを調整できるので、さまざまな爪に使用可能です。

マチワイヤー®法

「マチワイヤー®法」とは、弾力性に優れた形状記憶合金のワイヤーを使用した方法です。爪の両端に穴を開け、表面に沿わせるようにワイヤーを通します。爪の硬さや分厚さ、形などに応じてワイヤーの長さや太さを調整できるので、さまざまな爪に使用可能です。

 

爪の伸びている部分に穴を開けるため、痛みの心配はありません。プレート法やクリップ法よりも矯正力に優れています。

 

しかし、爪が伸びていないと行えないため、深爪の方にはおすすめできません。また数ヶ月に1度のペースで、ワイヤーを取り替える必要があります。

 

一般的な「ワイヤー法」は、この形状記憶合金のワイヤーを用いた方法をいいます。後述する3TO-VHO®法とは仕組みが違いますが、ワイヤーを用いて爪を矯正するため、この記事ではワイヤー法とまとめて説明しています。

3TO-VHO®法

「3TO-VHO®法」とは、曲げたワイヤーを爪の両端にひっかけて、専用のフックで固定する方法です。マチワイヤー®法のように爪の先端に穴を開ける必要がないため、爪を伸ばさなくても施術ができます。したがって爪の幅が狭い方や、深爪の方にもおすすめです。

 

また施術で若干の痛みを感じる場合ありますが、麻酔を行う必要はありません。矯正力が高い点と一度装着すると数ヶ月交換が不要な点が魅力ですが、マチワイヤー®法よりも費用が高くなる点に注意が必要です。

 

専門医のワンポイントコメント

マチワイヤー®法の場合、セルフケアで行える可能性があります。ネット上で探すと、ワイヤーや穴あけドリルをセットで販売しているところもあるようです。ただし爪が破損するリスクなどもあるため、ご自身で行う場合は十分な注意が必要です。

3TO-VHO®法の場合は、施術にライセンス取得が必要なので、原則セルフケアはできません。

様々な矯正方法を、動画や写真で詳しく解説しました。以下の記事も参考にして下さい。

簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/treatment/#s3

巻き爪の矯正治療は何科で受けられる?

腕を組む白衣を着た医師

巻き爪の治療は、以下の診療科で受けられます。

 

  • 皮膚科
  • フットケア外来
  • 形成外科

 

巻き爪の症状が軽度の場合は、皮膚科やフットケア外来で保存的治療を行います。保存的治療とは、クリップ法やワイヤー法などのように手術を行わない治療法のことです。

 

診療科に関わらず自費の矯正治療は取り扱っていない医療機関も多いです。受診前に電話やホームページで希望する治療を行っているか確認するとよいでしょう。

 

また、足の環境が変わらなければ、期間は人それぞれですが、矯正後の爪はまた巻いてきます。そういった意味では根治的な治療とならない場合もある点には注意が必要です。

 

皮膚科やフットケア外来での治療で改善が見込めない場合は、より根治的な治療として手術を検討するとよいでしょう。外科的な手術を受ける場合は、形成外科を受診しましょう。

まとめ

今回は、巻き爪の矯正治療についてご紹介しました。器具を使用して巻き爪を矯正する場合は、症状や費用、治療期間などを考慮したうえで治療方法を医師とよく相談しましょう。

 

なおクリップ法で巻き爪を治療する場合は、とくに「ネイル・エイド」がおすすめです。ネイル・エイドは強い矯正力をもっているため、分厚い爪や変形の激しい爪などさまざまな症状に対応できます。まただれでも簡単に着脱可能なので、初心者の方にもおすすめです。セルフケアで巻き爪を改善させたい方は、ぜひチェックしてみてください。

 

ネイル・エイドの購入はこちらから:https://medical-media.shop/

 

【監修 埼玉医科大学 形成外科 簗由一郎医師】