バレエで巻き爪になる?放置するリスクや応急処置、対処法を解説
バレエをしていると、足に負担がかかるためさまざまな足トラブルが起こりやすくなります。そのひとつである巻き爪を放置したままバレエを続けていると、症状悪化などのリスクが高くなるのです。
そこで今回は、バレエと巻き爪の関係や、応急処置の方法などについてご紹介します。巻き爪を改善させてバレエを楽しみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
一般的に「巻き爪」と「陥入爪」という言葉は混同して使われている場合がありますが「巻き爪」と「陥入爪」は別の状態を表します。
この記事ではわかりやすいように一部「陥入爪」を含めて「巻き爪」という言葉で表現している場合があります。違いについての詳細は解説記事を参照してください。
- 巻き爪=爪甲が彎曲した状態
- 陥入爪=爪甲が側爪郭に陥入し炎症を引き起こした状態
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/basic/#s5
巻き爪になってしまう原因
一般的に巻き爪になる原因としては、以下のようなものがあります。
- 間違った爪切りをしている
- 足に合わない靴を履いている
- 不適切な靴の履き方をしている
- 歩く量が少ない
- 歩き方に問題がある
- 爪が乾燥している
- 扁平足、外反母趾などの影響
- 先天的な骨格の影響
巻き爪の原因としては、歩き方や爪切りの方法などの生活習慣のほかに、先天的な要因や病気の影響などがあります。原因を見極めた上で適切な対処を実施することが大切です。
巻き爪になる原因は大きく分けて、以下の3つです。
- 境的要因
- 遺伝的要因
- 病的要因
以下の記事でくわしく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
バレエにより巻き爪になることはある?
バレエを踊っている姿は優雅で美しく見えますが、実はバレエをしている方のつま先には大きな負担がかかっています。バレエの姿勢は常につま先立ちであり、足先に重心が集中しているからです。
そのため、バレエをしている方は巻き爪をはじめとして、さまざまな足トラブルを引き起こすリスクが高いです。とくに足のサイズと合っていないトウシューズを履いていると、足への負担が大きくなるので注意しましょう。
バレエによる巻き爪を対策する方法
ここからは、バレエによる巻き爪を対策する方法についてご紹介します。
正しい爪切りを行う
バレエによる巻き爪を対策するためには、正しいやり方で爪切りを行うことが大切です。深爪やラウンドカットなどをしていると、爪の変形や巻き爪を引き起こす原因となります。
巻き爪を対策するには、以下のポイントに注意して爪切りを行いましょう。
- 爪の先端はラウンドカットではなくスクエアカットにする
- 皮膚の高さと同じぐらいの長さで爪を切る
- 割れ爪や深爪を防止するため、少しずつカットする
- お風呂上がりなど爪が柔らかいタイミングで切る
- 爪が割れやすい場合、爪切りではなく爪やすりを使用する
足の爪をカットするペースは、3~4週間に1度ほどがおすすめです。爪を頻繁に切りすぎると、深爪のリスクが高まるので気をつけましょう。
正しい爪切りを行うためには、爪切りの選び方も重要です。選択のポイントは以下の2点です。
- よく切れる
- 直刃
切れ味が悪いと爪が割れたり、爪の断面が段差になり引っかかったりするなどの問題がおこります。
トウパッドを活用する
爪への負担を少しでも和らげながらバレエをしたい方は、トウパッドを活用するのがおすすめです。トウパッドを使えば、爪にかかる圧力を軽減できます。トウパッドがない場合は、適当なサイズに切ったストッキングを巻きつけるなどの代替法も便利です。
巻き爪を放置したままバレエを続けるリスク
ここからは、巻き爪を放置したままバレエを続けるリスクについてご紹介します。
巻き爪が悪化する
巻き爪を放置したままバレエを続けていると、巻き爪の症状が悪化する恐れがあります。つま先に負担がかかる姿勢によって爪の変形が激しくなり、皮膚に食い込んで炎症を引き起こすリスクもあるので注意しましょう。
痛みによりトウシューズが履けなくなる
巻き爪を放置したままバレエをしていると、爪の食い込みが悪化して強い痛みを感じるリスクが高まります。痛みを和らげるために深爪にすると、さらに巻き爪が悪化してしまうので注意してください。症状の悪化が続けば、痛みによりトウシューズが履けなくなってしまう恐れもあります。
巻き爪が痛いときの応急処
ここからは、巻き爪が痛いときの応急処置についてご紹介します。
コットンパッキング
コットンパッキングとは、ガーゼやコットンを使用して皮膚を保護する方法で、応急処置のなかでも対応しやすい種類です。
<準備するもの>
- コットンまたはガーゼ
<コットンパッキングの手順>
- ガーゼやコットンを米粒ほどのサイズまで丸める
- 患部の爪と皮膚の間に挟みこむ
いつも使用しているガーゼやコットンで気軽にできるやり方なので、すぐに痛みを和らげたい方は試してみましょう。
テーピング(絆創膏)
テーピングは、テープや絆創膏を活用して痛みを和らげる方法です。
<準備するもの>
- テープ(2.5×6cmのサイズが望ましい)または絆創膏
<テーピングの手順>
- テープの端を皮膚と爪の際に貼る
- テープを引っ張って皮膚と爪の隙間を広げ、指の下へ伸ばす
- 指の下にテープを回したら、指の上に向けてさらに引っ張る
- 指の上に回して貼る
テープの力で皮膚を引っ張り、爪と皮膚の隙間を広げて痛みを緩和させることができます。
巻き爪になってしまった場合の対処法
ここからは、巻き爪になってしまった場合の対処法についてご紹介します。
軽度の場合はセルフケアを行う
巻き爪の症状が軽い場合は、自宅におけるセルフケアを行うのもおすすめです。バレエのレッスンは、なるべくお休みしましょう。
巻き爪に対するセルフケアのやり方としては、次のようなものがあります。
- 矯正グッズを使う
- 正しい爪切りを行う
- 自分の足に合った靴を履く
- 歩く機会を増やす
- 歩き方を見直す
- 爪の保湿を習慣にする
- ネイルをしている場合は、改善するまでお休みする
ジェルネイルやマニキュアをしている場合は、ネイルで使う薬剤の作用で爪が乾燥して脆くなりやすいです。巻き爪の症状が改善するまでは、ネイルを控えて爪をしっかり保湿しましょう。
中~重度の場合は病院(医療機関)を受診する
巻き爪の症状が中~重度の場合は、病院(医療機関)で治療を受けてください。巻き爪の治療は、皮膚科やフットケア外来、および形成外科で受けられます。巻き爪の治療法としては、以下のようなものが挙げられます。
- クリップを用いた矯正治療(クリップ法)
- ワイヤーを用いた矯正治療(ワイヤー法)
- プレートを用いた矯正治療
- ガター法
- 爪の部分切除
- 手術治療
皮膚科やフットケア外来では、手術をしない保存的治療を行うのが一般的です。保存的治療で改善が見られない場合は、形成外科において手術を行うケースもあります。
巻き爪に対応してくれる医療機関を探すのが難しい場合があります。病院の探し方について解説した記事も参考にして下さい。
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/column/when-it-becomes-an-ingrown-nail/
まとめ
今回は、巻き爪とバレエの関係や、巻き爪を放置してバレエを続けるリスクなどについてご紹介しました。つま先への負担が大きいバレエを正しく続けるためには、巻き爪への対処法などをしっかり理解する必要があります。
軽度の巻き爪になった場合は、巻き爪矯正器具である「ネイル・エイド」を使用するのがおすすめです。ネイル・エイドは矯正力と耐久性に優れており、初心者の方でも扱いやすい仕様です。巻き爪を改善させてバレエを楽しみたい方は、ぜひ注目してみてください。
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バレエだけでなく、足に負荷がかかるスポーツなどをされている方を、治療することが多いです。こういった方は、保存的治療や矯正治療を行っても足の環境に変化がないので、一時的に改善しても、悪化を繰り返すことが多いと感じます。
私は外科医ですので、個人的には早めに手術をして爪の幅を狭くしてあげたほうがよいのではと感じる部分もあります。
簗医師の手術解説記事:https://medical-media.jp/surgery/
【監修 埼玉医科大学 形成外科 簗由一郎医師】