爪に起こりやすい15のトラブル!原因やセルフケア、治療方法をご紹介

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爪は健康のバロメーターともいわれ、身体の不調にともなってさまざまなトラブルが生じやすい部分です。爪トラブルの原因を見極め、正しい対処や治療を行う必要があります。

 

今回の記事では、爪に起こりやすいトラブルの原因やセルフケア、治療方法についてご紹介します。爪のトラブルを防いで健康的な爪を保ちたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

専門医のワンポイントコメント

爪に起こりやすいトラブルを確認する前に、正常な爪について学びましょう。以下の記事では、爪の構造や生え方、役割について解説していますので、チェックしてみてください。

 

簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/basic/

爪に起こりやすいトラブルの種類

ここからは、爪に起こりやすいトラブルの種類についてご紹介します。

爪が巻いている:巻き爪

巻き爪 つま先

巻き爪とは、爪が変形して内側に巻き込んだ状態のことです。巻き爪の原因としては、以下のようなものが挙げられます。

 

  • 間違った爪切りをしている
  • 足に合わない靴を履いている
  • 不適切な靴の履き方をしている
  • 歩く量が少ない
  • 歩き方に問題がある
  • 爪が乾燥している
  • 扁平足、外反母趾などの影響
  • 先天的な骨格の影響

 

巻き爪のセルフケアや治療方法は、以下のとおりです。

 

巻き爪のセルフケア

・コットンパッキング法

・テーピング法

・矯正グッズの使用

巻き爪の治療方法

・爪の部分切除

・手術治療

・ガター法

・クリップを用いた矯正治療(クリップ法)

・ワイヤーを用いた矯正治療(ワイヤー法)

・プレートを用いた矯正治療

爪が両端の皮膚に食い込んでいる:陥入爪

陥入爪は、爪の先端が皮膚に食い込み、爪周りに炎症や痛みが生じた状態です。陥入爪になる原因としては、以下のようなものが挙げられます。

 

  • 間違った爪切りをしている
  • 足に合わない靴を履いている
  • 不適切な靴の履き方をしている
  • 爪が乾燥している
  • 歩き方に問題がある など

 

陥入爪になってしまった場合は、以下のような方法で早めに対処しましょう。

 

陥入爪のセルフケア

・爪を伸ばし、正しい爪切りを行う

・自分の足に合った靴を正しく履く

・歩き方を見直す

・市販の巻き爪矯正グッズを使う ※

陥入爪の治療方法

・爪の部分切除

・手術治療

・ガター法

・クリップを用いた矯正治療(クリップ法)※

・ワイヤーを用いた矯正治療(ワイヤー法)※

・プレートを用いた矯正治療 ※

※印は陥入爪の原因が巻き爪である場合

 

爪が割れている(欠けている):爪甲縦裂症

爪が縦方向に割れている、または欠けている場合、爪甲縦裂症になっている可能性があります。爪甲縦裂症の原因は、主に以下のとおりです。

 

  • 指の循環障害
  • 甲状腺機能異常
  • マニキュアや化学物質などの外部刺激
  • 皮膚疾患 など

 

爪甲縦裂症のセルフケアおよび治療法は、以下を参考にしてみてください。

 

爪甲縦裂症のセルフケア

・栄養バランスに気をつける

・爪を保湿する

・食器洗いの際はゴム手袋を使う など

爪甲縦裂症の治療方法

・ステロイド外用薬

・腫瘍の治療

 

爪甲縦裂症の一般的な治療法は、ステロイド外用薬の塗布です。しかし2~3ヶ月使用しても改善が見られない場合は、爪甲下に腫瘍が生じている可能性があるため、検査のあとに腫瘍の治療を行います。

爪に縦線ができている:爪甲縦条

爪の縦線ができる爪甲縦条は、健康な方にもよく見られる爪トラブルです。病気が原因となるケースは少なく、過度に心配する必要はありません。爪甲縦条の原因としては、以下のようなものが挙げられます。

 

  • 爪の乾燥
  • 加齢によるもの 
  • 生活習慣の乱れ

 

爪甲縦条の対処法としては、以下を参考にしてください。

 

爪甲縦条のセルフケア

・マッサージをする

・サプリを活用する

・爪を保湿する など

爪甲縦条の治療方法

とくになし

爪に横線ができている:ボー線条・その他

爪に横線が入っている爪

すべての爪に横線が1本出ている場合、ボー線条の可能性があります。ボー線条は、糖尿病や亜鉛欠乏症、出産、感染症などが原因とされています。

 

ボー線条になった場合の対処法は、主に以下のとおりです。

 

ボー線条のセルフケア

とくになし

ボー線条の治療方法

原因となる不調の治療

 

なおボー線条ではなく外傷や外部からの衝撃などによって横線ができるケースもありますが、その場合刺激を受けた指のみに症状が見られます。

爪が波板になっている:波板状爪

爪が波板になっている場合、波板状爪の可能性があります。波板状爪は健康な方にも起こりやすく、主に爪いじりや外部からの衝撃などが原因です。

 

波板状爪の対処法としては、以下のようなものが挙げられます。

 

波板状爪のセルフケア

・爪をいじらない

・爪を保湿する など

波板状爪の治療方法

・ステロイド外用薬

爪が点を打ったように凹んでいる:点状陥凹

爪が点を打ったように凹んでいる場合、点状陥凹の可能性があります。点状陥凹の主な原因はストレスによる免疫異常で、円形脱毛症や尋常性乾癬と関連して発症するケースも多いです。

 

点状陥凹に対しては、以下のような対処法があります。

 

点状陥凹のセルフケア

・ストレスをため込まない

点状陥凹の治療方法

・外用薬や内服薬

・紫外線療法

爪が反り返っている:スプーンネイル

爪が薄くなって反り返っている場合、スプーンネイルの可能性があります。爪の両側を丸くカットする切り方や、指への外傷、感染症、鉄欠乏性貧血などが主な原因です。

 

スプーンネイルの対処法としては、以下のようなものが挙げられます。

 

スプーンネイルのセルフケア

・正しく爪を切る

・幼児の場合、靴を履いて遊ぶ

スプーンネイルの治療方法

・鉄剤の服用

爪が2枚に分かれている:二枚爪(爪甲層状分裂症)

爪がはがれている足の爪

爪が先端部分で2枚に分かれている場合、二枚爪(爪甲層状分裂症)の可能性があります。二枚爪の原因としては、爪の乾燥や外部からの刺激などが挙げられます。乾燥しやすい冬の時期は、二枚爪に悩まされる方が多いです。

 

二枚爪(爪甲層状分裂症)のセルフケア

・マニキュアやジェルネイルを控える

・水仕事の際は手袋をする

・爪をしっかり保湿する

・透明なトップコートを塗って爪を保護する

・鉄剤を内服する など

二枚爪(爪甲層状分裂症)の治療方法

・乾燥を防ぐための保湿剤を処方

・栄養指導や生活指導

 

二枚爪は、軽度であればセルフケアによって改善が期待できます。しかしセルフケアだけで改善が見られない場合は、早めに皮膚科などを受診してください。

爪が薄くなっている:全身の病気の影響

爪が薄くなっている場合、全身の病気の影響で爪に以下のような異常が生じている可能性があります。

 

  • 低色素性貧血
  • 甲状腺機能亢進
  • 末梢循環障害
  • 先天性角化異常症 など

 

爪は健康のバロメーターであるため、全身に生じている症状を治療することで爪トラブルが改善される可能性があります。気になる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

爪が濁っている・白くなっている:爪水虫

爪が濁っている・白くなっている爪

爪が濁っている・白くなっている場合は、爪水虫になっている恐れがあります。爪水虫とは、白癬と呼ばれる種類のカビが爪に感染する症状です。中高年の男性に多く見られ、足水虫を治療しないで放置することが主な原因とされています。

 

爪水虫のセルフケア

・足は指の間まで丁寧に洗う

・温泉やジムなどを利用したあとは足を洗う

・毎日靴を履き替えて乾燥させる など

爪水虫の治療方法

・内服薬や外用薬

爪が黄色くなっている:黄色爪症候群・全身の病気の影響

爪が黄色くなっている場合、黄色爪症候群の可能性があります。黄色爪症候群の原因ははっきりわかっていませんが、爪が黄色くなるだけであれば栄養不足や喫煙、つけ爪の使用などが考えられます。

 

黄色爪症候群のセルフケア

・喫煙を控える

・栄養バランスを整える など

黄色爪症候群の治療方法

・内服薬や外用薬

 

なお爪が黄色くなる原因には、黄色爪症候群以外に全身の病気が関連している可能性があります。気になる場合は、放置せずに医療機関を受診しましょう。

爪が緑色になっている:緑色爪(グリーンネイル)

爪が緑色になっている場合、緑色爪(グリーンネイル)の可能性があります。緑色爪(グリーンネイル)は、ネイルの放置や深爪などによって緑膿菌が爪の隙間で繁殖することが主な原因です。

緑色爪(グリーンネイル)のセルフケア

・ネイルなどを取り除く

・爪を清潔に保つ

緑色爪(グリーンネイル)の治療方法

・内服薬や外用薬


グリーンネイルが爪の表面のみで起こっている場合は、ネイルを休んで一定期間爪を休ませれば、自然治癒するケースが多いです。しかしグリーンネイルが爪の深層まで進行している場合、病院を受診することをおすすめします。

爪に白い斑点ができている:点状爪甲白斑

爪に白い斑点ができている場合、点状爪甲白斑の可能性があります。点状爪甲白斑は爪への外傷やマニキュアの使いすぎなどが主な原因です。

 

点状爪甲白斑のセルフケア

・マニキュアを控える

・爪に刺激を与えない など

点状爪甲白斑の治療方法

・内服薬や外用薬

爪が浮いて白くなっている:爪甲剥離症

爪が浮いて白くなっている場合、爪甲剥離症の可能性があります。カビのひとつであるカンジダや接触皮膚炎、尋常性乾癬などが主な原因です。

 

 

爪甲剥離症のセルフケア

・足に合う靴を履く

・テーピングをする など

爪甲剥離症の治療方法

・抗真菌薬・ステロイド外用薬

爪のトラブルは何科を受診すれば良い?

診察する医師

爪トラブルが生じた場合は、以下の診療科を受診しましょう。

 

  • 皮膚科
  • 形成外科
  • フットケア外来

 

皮膚科とフットケア外来では手術によらない保存的治療を受けられます。保存的治療で改善が見られない場合には、形成外科にて根治的な手術を行うことになります。

まとめ

今回は、爪トラブルの種類や原因、セルフケア、治療方法などについてご紹介しました。爪トラブルが生じた場合は原因を突き止め、適切な対処や治療をしましょう。

 

軽い巻き爪や、巻き爪が原因で陥入爪になっている場合は、巻き爪矯正器具である「ネイル・エイド」の使用をおすすめします。ネイル・エイドは矯正力に優れており、着脱がしやすい仕様です。初心者の方でも扱いやすいので、ぜひチェックしてみてください。

 

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【監修 埼玉医科大学 形成外科 簗由一郎医師】