「爪が分厚くなっている……」「肥厚爪を治すにはどうしたらよいの?」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。肥厚爪を放置していると、爪周りに痛みが生じたり爪が割れやすくなったりします。
今回の記事では、肥厚爪の原因や治し方などについてご紹介します。肥厚爪の症状にお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。
肥厚爪とは
肥厚爪(ひこうづめ、ひこうつめ、ひこうそう)とは、手や足の爪が分厚くなる状態のことです。肥厚爪の状態を放置していると、爪が剥がれやすくなったり、割れやすくなったりします。重症化すると靴を履くたびに爪が痛み、歩行や外出を控えるようになるケースも多いです。
肥厚爪の原因として考えられる5つのこと
ここからは、肥厚爪の主な原因についてご紹介します。
足に合わない靴を履いている
肥厚爪になる原因として、足に合わない靴を履いていることが考えられます。つま先が狭い靴やハイヒールなどを履いていると、爪に大きな負担がかかって正常に伸びず、爪が分厚くなってしまうのです。
肥厚爪を防止するためには、以下のようなポイントに注目して靴を選んでください。
- つま先に余裕がある
- 足指の上部分に余裕がある
- 足の甲(足首)がしっかり固定できる
また靴の選び方だけでなく、履き方にもこだわってみてください。靴を履くときにはかかと部分をトントンと叩いて、靴と足首をしっかりフィットさせた状態で靴ひもなどで固定しましょう。こうすることで、歩いているときに足が靴のなかで前後に動き、爪に負担がかかるのを防ぎます。
足のアーチを支えてバランスよく重心をかけるためには、インソールを活用するのもおすすめです。
爪の切り方が間違っている(深爪)
深爪の癖がある場合、むき出しになった爪の下の皮膚が盛り上がり、爪の成長が阻害されることで爪が分厚くなり、肥厚爪になりやすいです。
深爪による肥厚爪を予防するためには、爪を適切な形に整えることが大切です。四角形に丸みをつけたスクエアオフカットにすることで、外部からの衝撃による爪への負担を抑えられます。スクエアオフカットに整える方法は、以下を参考にしてください。
- 爪切りを使用してまっすぐ切る
- 両先端の角に少し丸みをつける
なお爪の長さは、指の高さと同じくらいにそろえるのがおすすめです。深爪になっている方は、ある程度爪を伸ばしてから適切な形に整えましょう。
外傷によるもの
爪の上に物を落とすなどして、爪の根元部分に強い衝撃が加えられると、爪の成長に異常が生じて分厚くなり、肥厚爪になる恐れがあります。肥厚爪以外にも、爪の変色や変形の原因となりかねないため、爪に過度な負担がかからないように注意しましょう。
加齢によるもの
年を重ねるにつれて、爪は乾燥して外部からの刺激にもろくなり、次第に分厚くなりやすいといわれています。肥厚爪は、70代以降の年代に多く見られやすい症状です。
爪のケアが不足している
爪に汚れがたまっていたり、乾燥したりなど、ネイルケアが足りていないと肥厚爪などの爪トラブルが生じやすいです。このような爪トラブルを防ぐためには、入浴時に爪をしっかり洗って清潔に保ち、保湿を念入りに行いましょう。
肥厚爪の治し方は?自宅でできるセルフケア
肥厚爪の症状が軽度で、多少の厚みがあるくらいなら、セルフケアで対処できる可能性があります。やすりを使用して余分な爪を削り、厚みを減らしましょう。
やすりを使用したセルフケアのやり方は、以下を参考にしてください。
- 入浴時に皮膚と爪の隙間に蓄積した汚れや角質を洗浄する
- やすりを使用して丁寧に爪を削る
- 爪と皮膚の間に詰まっている角質を除去する
- 残った爪の形を爪切りなどで整える
肥厚爪の状態によっては病院(医療機関)で治療を受けるべき
肥厚爪は、セルフケアを怠っているとどんどん分厚くなり、自分では削れないほどになります。セルフケアが難しいほどに分厚くなってしまった場合は、皮膚科や形成外科、フットケア外来などの医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。
医療機関では、専用のマシンを使用して爪を適切に削ったり、爪への物理的な圧迫を防いだりします。症状が進んでいる場合は、爪甲除去手術を行うケースもあります。爪甲除去手術は、爪を根元から抜いて、新たに生える爪が正常に伸びるようサポートする治療法です。
爪が肥厚していると、痛みなどの原因になります。患者さんの爪をグラインダーで薄くすると、痛みが和らぐことをよく経験します。軽度の巻き爪も、爪を薄く削るだけで改善することがあります。
以下の記事では、実際に爪を削っている動画とともに解説しています。
他の爪トラブルによって爪が厚くなっている可能性も!
爪が分厚くなっている場合、肥厚爪以外の爪トラブルが原因となっている可能性もあります。ここからは、肥厚爪以外に考えられる爪トラブルをご紹介します。
爪水虫(爪白癬)
爪水虫(爪白癬)とは、白癬というカビが爪に感染した状態のことです。中高年の男性に多く、爪が白っぽく濁って見えたり、分厚くなったりします。爪水虫になると爪がもろくなり、少しの刺激で爪が割れたり細菌感染したりしやすくなります。
爪水虫になった場合、殺菌作用が期待できる外用薬や内服薬を使用した治療が行われるケースが多いです。爪水虫が疑われる場合は、進行する前に早めに医療機関を受診しましょう。
巻き爪
巻き爪とは、爪が変形して内側に巻き込んだ状態のことです。巻き爪になる原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 先天的な骨格の影響
- 扁平足、外反母趾などの影響
- 爪が乾燥している
- 歩き方に問題がある
- 歩く量が少ない
- 不適切な靴の履き方をしている
- 足に合わない靴を履いている
- 間違った爪切りをしている
このように、巻き爪の原因の多くは肥厚爪と共通します。つまり、巻き爪になっている方は肥厚爪にもなりやすいのです。巻き爪を防ぐためには、靴の履き方や歩き方など普段の生活習慣を見直してみてください。
まとめ
今回は、肥厚爪の原因や治し方などについてご紹介しました。肥厚爪になる原因には、歩き方や靴選びなどの生活習慣が関わっています。肥厚爪を防ぐためには、今回ご紹介した爪の切り方や靴の選び方などを押さえてみてください。
足裏にバランスよく重心をかけるために、オーダーメイドインソール「HOCOH(ホコウ)」を活用するのがおすすめです。また軽度な巻き爪になっている場合は、巻き爪矯正器具である「ネイル・エイド」を装着しましょう。爪の健康をサポートしたい方は、ぜひこれらのアイテムをチェックしてみてください。
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【監修 埼玉医科大学 形成外科 簗由一郎医師】