外反母趾が痛い…どうしたらいい?自分でできるケア・病院での治療を解説
「外反母趾が痛くて歩けない」「外反母趾の痛みを抑えるにはどうしたらいいの?」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。外反母趾が痛いのを放置していると、症状が進行して炎症がひどくなる恐れがあります。
今回は、外反母趾が痛いと感じる原因や自分でできるケア、病院での治療などについてご紹介します。外反母趾の痛みを和らげたい方は、ぜひ参考になさってください。
この記事の監修をお願いしている簗医師の、解説記事へのリンクを文中に掲載しています。より詳しく知りたい方は、簗医師の解説記事もご覧ください。不明な点は掲示板(https://medical-media.jp/bbs/)からご相談ください。
外反母趾を放置すると、「巻き爪」や「陥入爪」を引き起こすおことも多く経験します。
一般的に「陥入爪」と「巻き爪」という言葉は混同して使われている場合がありますが「陥入爪」と「巻き爪」は別の状態を表します。
この記事ではわかりやすいように一部「巻き爪」を含めて「陥入爪」という言葉で表現している場合があります。違いについての詳細は解説記事を参照してください。
- 陥入爪=爪甲が側爪郭に陥入し炎症を引き起こした状態
- 巻き爪=爪甲が彎曲した状態
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/basic/#s5
外反母趾とは
外反母趾とは、足の親指先端が内側に曲がり、足の根元部分の関節が外側に突出する症状のことです。通常足には縦と横のアーチがありますが、外反母趾になるとこのアーチが崩れ、指が不自然な方向に曲がってしまいます。
外反母趾の大きな原因は、ハイヒールやパンプスなど幅の狭い靴を履くことです。また生まれつきの足の形によって、外反母趾になりやすいケースもあります。外反母趾は女性に多い症状ですが、男性や子どもでも発症する可能性があります。
外反母趾が痛い原因

外反母趾になると、足先に痛みが生じることがあります。ここからは、外反母趾で痛いと感じる原因についてご紹介します。
突出した関節部分が靴にあたる
外反母趾になると、親指の根元部分の突き出た部分が靴に当たって炎症を起こし、腫れや痛みが生じる恐れがあります。そうすると痛みをかばうような歩き方になることで姿勢が悪くなり、身体全体のゆがみにつながる恐れがあるのです。
神経が圧迫される
外反母趾の患部が腫れたり、赤くなったりしている場合は、炎症が起きています。炎症が生じた部分には、通常には見られない異常な血管が生じており、それとともに異常な神経も増えています。神経が外部から圧迫され、ジンジンとした痛みが生じるのです。
靴を履いていないときも痛みを感じる場合は、神経が圧迫されている可能性が高いです。
外反母趾が痛い場合どうしたらいい?自分でできるケア
外反母趾が痛い場合、自分で試せる対策がいくつかあります。ここからは、外反母趾の痛みを和らげるためのセルフケアについてご紹介します。
足に合った靴で正しく歩く

患部を圧迫しないためには、足への負担が少ない靴を選びましょう。自分の足のサイズに合っていて、甲やかかとがしっかり固定されているものがおすすめです。大きすぎる靴や足を固定できない靴では、歩くときにつま先が圧迫されてしまう可能性があります。
また、外反母趾の痛みを軽減するためには、ヒールの高い靴やつま先部分の狭い靴を避けましょう。
アーチが崩れているときはインソールを使用する
足のアーチが崩れている場合、インソールを活用するのがおすすめです。外反母趾の痛みを和らげるためには、かかとの内側を高くしてかかとが内側に傾かないようにし、土踏まずを高くするような形状のインソールを選びましょう。
また、足の人差し指や中指の付け根を高くするインソールを選べば衝撃緩衝力がアップし、親指への負担を軽減できます。
足のストレッチをする

足指の動きを柔軟にするため、ストレッチを行うのもおすすめです。足のストレッチは、以下の手順で行いましょう。
- 手の指先で足の指の裏を押さえて、ゆっくり足指を反らせるようにする
- 足の裏の一部の筋肉が伸びて張っている状態で10秒キープする
- 足の指を曲げるようにする
- 足の甲の一部が伸びて張っている状態で10秒キープする
足のマッサージを行う
外反母趾の痛みを軽減するため、足のマッサージをするのもおすすめです。マッサージによってリンパや血液の流れをスムーズにし、疲労回復やむくみ防止の効果が期待できます。硬くなった足裏の筋肉をやわらかくすることで、歩行時に筋肉を正しく使えるようになります。
足のマッサージは、以下のやり方を参考にしてみてください。
- 足にオイルなどを塗る
- 足を3ヶ所(外側、中央、内側)にわけて、手の親指の腹で揉みほぐす
両手の親指を重ねてマッサージすれば、しっかり力を出せるでしょう。お風呂上がりや入浴中など、血流が良くなっているタイミングで行うのがおすすめです。
テーピングをする
足の親指が内側に曲がりすぎないようにするために、テーピングをするのもおすすめです。テープは、幅2.5cmなど細めのものを使用してください。
- 足の親指と人差し指の間にスポンジなどを挟み、親指が内側に入らない位置に調整する
- 親指根元部分の内側サイドからかかとの内側まで貼る
- 足裏の親指根元から内くるぶしまで貼る
- 足背部の親指根元からかかとの少し足裏側まで貼る
3と4のテープは、親指根元の突き出た部分で交差するように貼りましょう。
病院で受けられる外反母趾の治療

外反母趾の痛みが気になる場合は、病院で治療を受けるのがおすすめです。ここからは、病院での治療方法についてご紹介します。
保存療法
外反母趾の症状が軽度の場合は、保存療法が行われます。保存療法には、以下のようなものがあります。
<保存両方の主な内容>
- 靴指導
- 運動療法
- 装具療法
- テーピング療法
- 骨格矯正
- 薬物療法
外反母趾による足の変形や痛みを軽減するために、正しい靴の選び方や運動の仕方に関する指導が行われます。また、痛みがある場合は、足底挿板やトースプレッダーなどを用いた装具療法が行われることもあります。
ほかにも足の変形を改善するために、テーピング療法や骨格矯正も効果的です。痛みが強い場合は、消炎鎮痛剤入り外用薬を用いた薬物療法が組み合わせられることもあります。
足専門のクリニックで治療を行っている桑原医師が監修し、国内メーカーのタビオが製造している「外反母趾サポートソックス」は外反母趾サポーターとして、おすすめです。
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手術療法
外反母趾の症状が進行し、保存療法だけで痛みが改善しない場合は、手術療法が選択されます。手術にはいくつかの種類があり、変形の具合や足の形、年齢、体型などをふまえて術式が選ばれます。
外反母趾以外の理由で痛みが生じている可能性も
足先に痛みがある場合、原因は外反母趾以外にも考えられます。ここからは、外反母趾以外で考えられる原因についてご紹介します。
痛風
痛風とは、尿酸の結晶が関節に蓄積し、関節に激しい痛みや炎症を引き起こす病気です。足の親指の根元部分で起こるケースが多く、30代以降の男性に見られやすい傾向があります。
巻き爪・陥入爪

巻き爪とは、爪が内側に巻くように変形した状態です。陥入爪は、爪が周りの皮膚に食い込んで痛みや腫れなどの炎症を起こしている状態を指します。陥入爪は巻き爪と異なり、必ずしも爪が巻いているとは限りません。
その他の病気
そのほかにも、足の爪周辺が痛くなる病気として以下のようなものが挙げられます。
<足の爪周辺の痛みをともなう主な病気>
- 爪周囲炎・ひょう疽
- 爪下出血
- グロムス腫瘍
- 外骨腫 など
上記のように、足先の痛みの原因は多岐にわたるため、少しでも気になる症状がある場合は早めに病院を受診しましょう。
まとめ
今回は、外反母趾が痛いと感じる原因や自分で行えるケア、病院での治療などについてご紹介しました。外反母趾になると、靴との接触や神経の圧迫などにより、強い痛みを感じやすくなります。セルフケアだけで痛みが治まらない場合は、早めに病院を受診して適切な治療を受けましょう。
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足の骨格のアーチが崩れることで、様々な症状が出てきます。足に異変を感じたら、早めにアーチをサポートするインソールを利用すると良いでしょう。
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【監修 埼玉医科大学 形成外科 簗由一郎医師】
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