爪の白い部分が広がる「爪甲剥離症」とは?原因や治療について解説

「爪の白い部分が広がっているのが気になる」「爪が白く浮き上がっている」といった症状にお悩みの方もいるのではないでしょうか。爪の白い部分が広がる症状のことを「爪甲剥離症」といいます。爪甲剥離症は、原因に応じた適切な方法で治すのが大切です。


そこで今回は、爪甲剥離症の原因や治療法、爪を健康に保つためのセルフケアなどについてご紹介します。爪甲剥離症について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください


この記事の監修をお願いしている簗医師の、解説記事へのリンクを文中に掲載しています。より詳しく知りたい方は、簗医師の解説記事もご覧ください。不明な点は掲示板(https://medical-media.jp/bbs/)からご相談ください。

専門医のワンポイントコメント

爪甲剥離症は、爪甲が剥離した状態を表している疾患名です。その原因により治療法が変わってきます。また診断が難しい部分があります。このページでも概説していますが、改善がない場合は、皮膚科で相談してもらうのが良いと思います。


以下の皮膚科学会の記事も参考になると思います。

https://www.dermatol.or.jp/qa/qa38/q09.html

爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)とは

爪甲剥離症の指

爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)とは、何らかの原因によって爪の白い部分が広がってしまう状態のことです。「爪甲」とは、一般的に爪と呼ばれる部分を指し、爪甲が付着していてピンクに見える部分を「爪床」といいます。

 

本来、爪甲は周りの上皮や結合組織を介して、末節骨としっかり固定されているので、剥がれることはほとんどありません。しかし何らかの原因によって爪床から爪甲が浮き上がると、部分的に白く見えたり、完全に脱落してしまったりするのです。

 

爪甲剥離症は、水仕事をする方や女性の方に比較的見られやすい症状です。剥がれた部分の爪甲を表面から見ると、白や黄色っぽく見える特徴があります。爪甲剥離症は手足のどちらにも起こる可能性があり、その原因はさまざまです。

爪甲剥離症の原因

爪甲剥離症の原因は、多岐にわたります。ここからは、爪甲剥離症の原因として考えられることをご紹介します。

爪への刺激

爪をケアする様子

爪甲剥離症は、爪と皮膚の間にトゲなどの細いものが刺さるなど、爪への刺激がかかることで引き起こされる可能性があります。また、マニキュア・除光液・洗剤・ガソリン・有機溶剤などの刺激物によって皮膚炎が生じ、爪甲剥離症の原因となるケースも多いです。

感染症(カンジダ・爪白癬など)

爪甲剥離症は、カンジダ症や爪白癬などの感染症が原因で引き起こされることもあります。カンジダ症による爪甲剥離症の場合、浮き上がった爪の下の皮膚がカサカサとするのが特徴です。

皮膚の病気の影響

爪甲剥離症の原因として、皮膚の病気も考えられます。爪甲剥離症を引き起こす皮膚の病気には、以下のようなものが挙げられます。

 

  • 強皮症の強指症
  • 乾癬
  • 掌蹠多汗症 など

 

上記のような皮膚の病気が原因となる場合、先に皮膚の症状が表れるケースが多いです。

光線過敏症の影響

夏の日差しと屋根

テトラサイクリンによる薬剤性光線過敏症、ポルフィリン症など、光線過敏症に伴うものが爪甲剥離症の原因になる可能性もあります。光線による爪甲剥離症は紫外線を浴びると症状が出るので、夏の季節に悪化して冬に軽くなりやすいのが特徴です。また、爪の症状だけではなく紅斑や光線過敏性皮膚炎など、皮膚の症状を伴いやすい傾向にあります。

全身の病気の影響

爪甲剥離症の原因として、全身の病気も考えられます。爪甲剥離症を引き起こす代表的な全身疾患は、甲状腺機能亢進症です。甲状腺機能亢進症とは、甲状腺の機能が活発になることで甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、疲れやすくなったり、眠れなくなったりする症状が表れる病気を指します。

 

甲状腺機能亢進症の他にも、以下のような病気の影響で爪甲剥離症が引き起こされるケースがあります。

 

  • 強皮症
  • 貧血
  • 甲状腺機能低下症
  • 糖尿病
  • 肺がん など

 

このように爪甲剥離症の原因には、深刻な病気が隠れている可能性もあります。早めの完治を目指すためにも、気になる症状があれば速やかに病院を受診しましょう。

爪甲剥離症を自力で治すことは可能?

はてなマーク

爪が離れてしまった部分が再びくっつくことはありませんが、爪が伸びると同時に自然に治ることもあります。爪を健康的に伸ばすためには、こまめに短くカットするのが大切です。なお、爪甲剥離症専用の市販薬は、市場で販売されていません。

 

爪甲剥離症の原因は全身疾患や皮膚疾患、感染症など、非常に多岐にわたります。原因によっては自力で治すのが困難なものもあるため、まずは皮膚科などを受診して原因を突き止めることが大切です。

爪甲剥離症の治療

内服薬

爪甲剥離症の治療では、まず原因を特定することが大切です。目立つ外傷などがなければ、爪の剥がれた部分を顕微鏡で確認し、感染症などの疑いがないかを見極めます。加えて血液検査を行い、甲状腺機能や血液量に異常がないかも見ていきます。

 

原因がわかれば、それに応じた治療方針を決めていくのが一般的です。たとえばカンジダ症の場合は、抗真菌薬の外用もしくは内服で治療が行われるでしょう。また、全身疾患や皮膚疾患が原因の場合は、原因疾患を適切に治療することで、爪の症状も改善されるケースが多いです。

 

原因がはっきりわからない場合は、ステロイド薬の塗り薬や保湿剤などによる薬物療法が検討されることが多いです。原因不明の爪甲剥離症は治りにくいケースも少なくないので、自宅でのネイルケアと並行して根気強く治療を続ける必要があります。

爪の健康を保つセルフケア

爪を切る様子

爪甲剥離症を防ぐためには、日頃から爪の健康を保つためのセルフケアを行うのが大切です。爪のセルフケアとして、主に以下のようなものがあります。

 

  • 爪を正しく切る
  • 爪を清潔に保つ
  • 足に合った靴を履く
  • 正しい歩き方をする

 

爪に細菌が入ったり、爪が変形したりするのを防ぐためには、爪を正しく切ることが大切です。深爪にならないように、皮膚の先端と同じくらいの長さにカットしましょう。また、爪に汚れが溜まらないように毎日しっかり爪をきれいにし、こまめに保湿をするのも忘れてはなりません。

専門医のワンポイントコメント

以下の記事では、正しい爪の切り方について分かりやすく解説しています。


簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/selfcare/#s2-3

足の爪を健康に保つためには、自分の足に合った靴を正しく履き、正しい歩き方を身につけるのもポイントです。靴を履く際にはかかと部分をトントンと叩き、靴と足首が密着した状態で靴紐などを用いてしっかり固定しましょう。こうすることで、歩いているうちに足が前後に動いて爪を圧迫するのを防止できます。

専門医のワンポイントコメント

以下の記事では、自分の足に合った靴の選び方や正しい歩き方について、画像付きで詳しく解説しています。


簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/selfcare/#s2

まとめ

今回は、爪甲剥離症の原因や治療法、爪を健康に保つためのセルフケアなどについてご紹介しました。爪甲剥離症は、爪への刺激や感染症、全身疾患や皮膚疾患などが原因で引き起こされます。原因に応じた適切な治療を受けるため、まずは皮膚科などを受診しましょう。

 

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【監修 埼玉医科大学 形成外科 簗由一郎医師】

 

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