爪が割れたり薄くなったりして、なかなかきれいに伸びてくれないことにお悩みの方も多いのではないでしょうか。爪トラブルの原因には、栄養不足が関わっている可能性があります。食事で十分な栄養がとれていないと、爪が健やかに育たなくなるのです。
今回は、栄養不足が爪に与える悪影響や、爪を健やかに育てるためにおすすめの食べ物などを解説します。爪トラブルを防いで健康的な爪をキープしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の監修をお願いしている簗医師の、解説記事へのリンクを文中に掲載しています。より詳しく知りたい方は、簗医師の解説記事もご覧ください。不明な点は掲示板(https://medical-media.jp/bbs/)からご相談ください。
一般的に「陥入爪」と「巻き爪」という言葉は混同して使われている場合がありますが「陥入爪」と「巻き爪」は別の状態を表します。
この記事ではわかりやすいように一部「巻き爪」を含めて「陥入爪」という言葉で表現している場合があります。違いについての詳細は解説記事を参照してください。
- 陥入爪=爪甲が側爪郭に陥入し炎症を引き起こした状態
- 巻き爪=爪甲が彎曲した状態
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/basic/#s5
栄養不足は爪トラブルを引き起こす?
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栄養不足は、さまざまな爪トラブルを引き起こすといわれています。ここからは、どのような爪トラブルがあるかを解説します。
症状①:爪の割れる・欠ける
爪に栄養が行き届いていないと、爪がもろくなって割れたり欠けたりしやすくなります。爪が縦に割れている状態を、「爪甲縦裂症(そうこうじゅうれつしょう)」といいます。爪甲縦裂症に対しては、ステロイド含有外用薬を用いて治療を行うのが一般的です。
症状②:二枚爪
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二枚爪とは、爪の先端部分の表面が薄く剥がれた状態のことです。爪の水分や栄養が足りていないことが主な原因で、栄養不足でもろくなった爪の先端に大きな力が加わると、二枚爪を引き起こしやすくなります。
症状③:爪が黄色になる
爪の栄養が不足していると、爪が黄色っぽくなる恐れがあります。すべての爪が黄色くなり、成長が遅くなっている場合は、「黄色爪症候群」と呼ばれる状態になっているかもしれません。黄色爪症候群を放置していると、爪の変化にとどまらず、下腿から足の甲にかけてむくみが生じたり、胸水が溜まったりする恐れがあります。
症状④:爪に縦線や横線が出る
爪の栄養不足により、爪に縦線や横線が出る恐れもあります。爪に縦線ができる症状を「爪甲縦条」、すべての爪に横線が1本できる症状を「ボー線条」といいます。また、爪に黒い線ができている場合は、内出血などが発生しているかもしれません。
症状⑤:爪に白い部分ができる
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手の爪が先端から浮き上がり、白く見える症状のことを「爪甲剥離症」といいます。爪甲剥離症は、接触皮膚炎や尋常性乾癬、カンジダ感染などが原因で起こります。
爪を健康に保つために!おすすめの栄養素・食べ物
爪の健康を保つためには、栄養バランスの整った食生活を心がけることが大事です。ここからは、とくに爪の健康のためにおすすめの栄養素や食べ物について解説します。
ビタミン
ビタミンは、爪の健康を維持するために重要な栄養素です。爪の成長をサポートするビタミンには、以下のようなものが挙げられます。
栄養素 |
働き |
食べ物の例 |
ビタミンA |
爪の主成分であるケラチンの生成を助ける |
レバー、卵黄、ニンジン、ウナギ、モロヘイヤ、ほうれん草など |
ビタミンB2 |
細胞の成長や再生を促進し、新陳代謝を高める |
魚介類、肉類、藻類、豆類、乳類、卵類、野菜類、種実類など |
ビオチン(ビタミンB7・ビタミンH) |
爪を形成するタンパク質や脂質の代謝を助ける |
酵母、キノコ類、肉類(とくにレバー)、ナッツ類、卵黄、穀類、豆類など |
ビタミンD |
カルシウムの吸収を助ける |
魚類など |
ビタミンE |
毛細血管の血流を良くする |
カボチャ、ほうれん草、キウイ、卵など |
このように、ビタミン類には爪の成長を助けるための重要な役割があります。爪の健康を維持するために、上記のビタミンが含まれた食べ物を積極的に食事に取り入れましょう。
カルシウム
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「必須ミネラル」とも呼ばれるカルシウムは、爪や骨、歯などを形成するために不可欠な栄養素です。爪に含まれているカルシウム成分は全体の0.1~0.2%と多くはないですが、美しい爪をキープするためには見逃せません。
カルシウムは大豆やししゃも、小松菜、乳製品、豆腐などに多く含まれています。カルシウムの吸収を助けるために、ビタミンDも一緒に摂取するのがおすすめです。
鉄分
鉄分は、爪を強くするコラーゲンの生成に不可欠な栄養素です。鉄分が不足していると、爪が薄くなったり弱くなったりする恐れがあります。また鉄分不足により、爪が反り返る「スプーンネイル」と呼ばれる状態になる恐れもあるので注意が必要です。
鉄分は、小松菜やほうれん草、レバー、ひじきなどに多く含まれています。鉄分を一度に吸収できる量は限られているので、3食にわけてこまめに摂取するのがポイントです。とくに女性の場合は、生理などによって鉄分不足になりやすいので、積極的に摂取しましょう。
亜鉛
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亜鉛は爪の主成分であるタンパク質の合成や、細胞分裂の促進などに不可欠な栄養素です。爪のみならず、粘膜や皮膚の強化にも欠かせません。
亜鉛はパルメザンチーズや牡蠣、豚肩ロース肉などに豊富に含まれています。ビタミンCと一緒に摂取すると、亜鉛の吸収をサポートしてくれるのでおすすめです。ただし亜鉛を摂りすぎると、過剰症の原因となるので注意してください。
爪を健康に保つためには生活習慣も見直そう
爪を健康に保つためには、食生活だけでなく普段の生活習慣を見直すことも大事です。爪の健康維持のために意識しておきたいポイントは、以下のとおりです。
- 爪を正しく切る
- 爪を清潔に保つ
- 足に合った靴を履く
- 正しい歩き方をする
爪の変形や細菌の侵入を防ぐためには、正しく爪を切ることが大事です。深爪を防ぐため、皮膚の先端と同じぐらいの長さに整えましょう。また爪に細菌が溜まらないように、毎日爪をしっかり洗浄し、保湿を徹底することも忘れてはいけません。
足の爪を健康に保つために、自分の足に合う靴を正しく履き、正しい歩き方を心がけるのも大事です。靴を履くときには、かかと部分を軽くトントンと叩き、足首と靴が密着した状態で靴紐などをしっかりと固定しましょう。こうすることで、歩いている間に足が前後に動いて爪を圧迫するのを防げます。
まとめ
今回は、栄養不足が爪に与える悪影響や、爪を健やかに育てるためにおすすめの食べ物などを解説しました。爪に十分な栄養が行き渡らないと、爪が薄くなったりもろくなったりして、さまざまな爪トラブルの原因になります。爪を健康に保つためにも、栄養バランスの整った食生活を心がけましょう。
軽度の巻き爪にお困りの場合は、巻き爪矯正器具「ネイル・エイド」の活用がおすすめです。ネイル・エイドは初心者の方でも扱いやすい仕様に作られているので、簡単に使い続けられます。栄養バランスを整えるとともに巻き爪を改善し、健やかな爪を保ちましょう。
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【監修 埼玉医科大学 形成外科 簗由一郎医師】
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