「巻き爪を治したいけれど、病院に行くのはハードルが高い」「巻き爪は市販薬で治るの?」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。巻き爪の症状が軽い場合は、市販薬などのセルフケアで炎症を和らげる効果が期待できます。
今回の記事では、巻き爪におすすめの市販薬や、セルフケアの方法などについてご紹介します。巻き爪をセルフケアで対処したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
一般的に「巻き爪」と「陥入爪」という言葉は混同して使われている場合がありますが、「巻き爪」と「陥入爪」は別の状態を表します。
この記事ではわかりやすいように一部「陥入爪」を含めて「巻き爪」という言葉で表現している場合があります。違いについての詳細は解説記事を参照してください。
- 巻き爪=爪甲が彎曲した状態
- 陥入爪=爪甲が側爪郭に陥入し炎症を引き起こした状態
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/basic/#s5
巻き爪は市販薬で治る?
巻き爪の治療法は、症状の程度によって異なります。セルフケアでの改善が期待できる症状と、病院で受診すべき症状は以下のとおりです。
セルフケアでの改善が期待できる症状 |
・痛みが軽い、もしくは痛みがない巻き爪 ・腫れをともなわない巻き爪 など |
病院を受診すべき症状 |
・腫れている ・化膿している ・強い痛みがある など |
軽度の巻き爪である場合は、矯正グッズや市販薬などを使ったセルフケアで症状の改善が期待できます。ただし市販薬は痛みや炎症を和らげることは可能ですが、症状の根本的な解決にはならない点に注意が必要です。
巻き爪による炎症・化膿の改善に使える市販薬
巻き爪による炎症や化膿を抑えるためには、化膿止めを使うのがおすすめです。化膿止めとは抗生物質のことを指し、細菌を殺したり増殖を抑制したりする効果が期待されています。
なお現在、化膿止めとして市販されているのは外用薬のみであり、内服薬は販売されていません。内服薬を入手したい方は、病院を受診して医師に処方してもらう必要があります。
ここからは、巻き爪の炎症を抑えるのにおすすめの外用薬についてご紹介します。
アリナミン製薬「テラマイシン軟膏a」
アリナミン製薬のテラマイシン軟膏aは、2種類の抗生剤が含まれている点が特徴です。抗生剤が細菌にアプローチし、炎症の改善に効果が期待できます。また添加物である白色ワセリンには保湿効果も見込まれているため、爪の乾燥防止にも役立ちます。
ゼリア新薬工業「ドルマイシン軟膏」
ゼリア新薬工業のドルマイシン軟膏は、化膿している傷口にも使用できる点が特徴です。抗生剤が爪の食い込んでいる部分にアプローチし、細菌の増殖を抑制します。また爪の保湿作用もあるため、乾燥を改善して症状の悪化を防止します。
タンペイ製薬「キズカイン」
タンペイ製薬のキズカインは、抗生物質は含まれていないものの、かゆみ止め成分と殺菌消毒成分が含まれています。したがって患部にかゆみが生じている場合や、掻きすぎて傷ができてしまった場合などにおすすめです。
経験的に外用薬の効果は限定的だと考えています。改善傾向が見られない場合は早めに医療機関で相談するとこをお勧めします。
巻き爪による痛み緩和に使える市販薬
巻き爪による痛みを緩和させたい場合は、一般的な痛み止めの内服薬を服用しましょう。痛みを軽減させるためには「イブプロフェン」た「ロキソプロフェンナトリウム」などが含まれた内服薬がおすすめです。
ただし痛み止めのみでは炎症の解消は期待できないので、根本的に巻き爪を治したい場合は皮膚科やフットケア外来などの医療機関を受診しましょう。
自分でできる巻き爪のセルフケア
ここからは、自分でできる巻き爪のセルフケアについてご紹介します。
コットンパッキング
コットンパッキングとは、コットンやガーゼを用いて皮膚を保護するやり方で、セルフケアのなかでも身近にあるアイテムで気軽にできる方法です。
<準備するもの>
- コットンもしくはガーゼ
<コットンパッキングの方法>
- ガーゼまたはコットンを米粒程度のサイズに丸めこむ
- 巻き爪部分の皮膚と爪の間に挟み込む
普段から使っているガーゼやコットンで簡単にできるので、巻き爪の痛みを今すぐ和らげたい方は試してみてください。
テーピング(絆創膏)
テーピング法には、以下のような2種類の方法があります。
<準備するもの>
- テープもしくは絆創膏(2.5×6cmの大きさが望ましい)
<テーピングの方法その1>
- 爪が食い込んでいる皮膚の先端にテープを貼る
- 指に沿わせるようにテープを引っ張り、爪と皮膚の隙間が広がるようにして固定する
テープで皮膚を引っ張ることにより、爪と皮膚の間に隙間を作って痛みを和らげます。テープがなければ、絆創膏などでも代用できるのでぜひ試してみましょう。
<テーピングの方法その2>
- 皮膚と爪周りを包むようにテープを貼る
- テープの先端が皮膚と爪の間に挟まるように、ピンセットなどで押し込める
テープを皮膚と爪の間に入れることで、痛みを和らげる方法です。爪の両側で痛みが生じている場合は、反対側も同じように行ってください。
矯正グッズ
自宅で巻き爪を改善させたい場合は、市販の矯正グッズを使用するのもおすすめです。市販の矯正グッズには、以下のような種類があります。
- プレートタイプ
- クリップタイプ
- ワイヤータイプ
- バネタイプ
巻き爪の症状が軽い場合は、プレートタイプやバネタイプの矯正グッズをおすすめします。中程度の巻き爪を平らに戻したい場合は、クリップタイプやワイヤータイプの矯正グッズがおすすめです。形状記憶合金のニッケルチタンを用いたクリップタイプの器具は繰り返して使えるためコスパに優れています。
市販品にはそれぞれ特徴があり、爪の状態に応じて選択すると良いと思います。代表的な市販品を解説した記事です。参考にして下さい。
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/column/comparison-of-commercial-products/
生活を見直す
巻き爪を改善および予防するためには、普段の生活を見直すことも大切です。日常生活のなかで、以下のようなポイントを意識してみましょう。
- 正しい爪切りをする
- 自分の足に合った靴を、正しく履く
- 日常で歩くことを心がける
- 歩き方にも気を付ける
- 爪を清潔に保ち、保湿する
- 扁平足、外反母趾を治療する
- ネイルをしている場合は、改善するまでお休みする
とくに正しい爪の切り方を身に着けることは、巻き爪予防のために重要です。深爪やラウンドカットを避け、皮膚の高さと同じくらいの長さで四角い形の爪を保てるようにしましょう。
巻き爪となる原因は、環境的要因・遺伝的要因・病的要因の大きく3つに分けられます。原因が環境的要因の場合は、日々の生活を見直すことで対策できます。
病院で受けられる巻き爪の治療
ここからは、病院で受けられる巻き爪の治療についてご紹介します。
保存的治療
保存的治療とは、手術をしない治療法のことです。爪の周りに起こった炎症や痛みを抑制するため、以下のような治療を行います。
- クリップを用いた矯正治療(クリップ法)
- プレートを用いた矯正治療
- ワイヤーを用いた矯正治療(ワイヤー法)
- ガター法
- 爪の部分切除
上記のような保存的治療は、皮膚科やフットケア外来で受けられます。
保存的治療の方法は、以下の2つに大別できます。
- 爪の刺激から周囲軟部組織を保護または隔離して治療する方法
- 矯正して治療する方法
ご自身の症状に合った治療を受けるために、巻き爪や治療に関する正しい知識を身につけましょう。
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/treatment/
外科的治療
保存的治療で改善が見込めない場合は、より根治的な外科的治療を行います。外科的治療とは、麻酔をしたうえで巻き爪の手術をする治療方法です。外科的治療には、次のようなものがあります。
- フェノール法
- NaOH法
- メスや剪刀(せんとう)で爪母や爪床を切除する方法
皮膚に食い込んでいる部分の爪を切除し、フェノールやNaOHの使用でその部分の爪が生えてこないようにする処置です。巻き爪(陥入爪)の手術は、形成外科などで受けられます。
詳しくは以下の記事をご確認ください。
まとめ
今回は、巻き爪を改善させるための外用薬や内服薬についてご紹介しました。巻き爪の症状が軽度の場合は、市販薬を活用してセルフケアで炎症を和らげることも可能です。
また軽度の巻き爪に対しては、市販の巻き爪矯正グッズを使用するのもおすすめです。爪の変形を元に戻す矯正グッズをお探しの方は「ネイル・エイド」を試してみましょう。ネイル・エイドは強い矯正力があり、加工不要で初心者の方でも簡単に使えます。巻き爪のセルフケアをお考えの方は、ぜひチェックしてみてください。
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【監修 埼玉医科大学 形成外科 簗由一郎医師】