「巻き爪になってしまったら、どうしたらいい?」「巻き爪を初期の段階で治したい」といったお悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。巻き爪を放置していると、炎症や痛みなどが悪化する可能性がありますが、初期段階で適切にケアすることで、症状の改善が期待できます。
そこで今回は、初期の巻き爪の治し方や、痛みがある場合の対処法などについてご紹介します。巻き爪を初期段階で治して爪の健康をサポートしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の監修をお願いしている簗医師の、解説記事へのリンクを文中に掲載しています。より詳しく知りたい方は、簗医師の解説記事もご覧ください。不明な点は掲示板(https://medical-media.jp/bbs/)からご相談ください。
一般的に「陥入爪」と「巻き爪」という言葉は混同して使われている場合がありますが「陥入爪」と「巻き爪」は別の状態を表します。
この記事ではわかりやすいように一部「巻き爪」を含めて「陥入爪」という言葉で表現している場合があります。違いについての詳細は解説記事を参照してください。
- 陥入爪=爪甲が側爪郭に陥入し炎症を引き起こした状態
- 巻き爪=爪甲が彎曲した状態
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/basic/#s5
巻き爪の原因とは

巻き爪とは、爪が内側に巻き込むように変形した状態のことです。足の親指の爪で発生することが多く、主な原因として以下のようなものがあります。
- 間違った爪切り
- 足に合わない靴
- 不適切な靴の履き方
- 歩く量の少なさ
- 誤った歩き方
- 爪の乾燥
- 扁平足、外反母趾などの影響
- 先天的な骨格の影響
爪切りのやり方が誤っていたり、足に合わない靴を履いていたりすると、足の爪に負荷がかかって変形しやすくなります。また、遺伝によって変形しやすい足の形状をしている方も、巻き爪のリスクが高くなります。
初期の巻き爪の治し方!自分でできる6つのケア
初期の巻き爪は、セルフケアによって改善が期待できます。ここからは、初期の巻き爪に対して自分でできるケアをご紹介します。
正しい方法で爪を切る

巻き爪を防ぐためには、正しい方法で爪を切るのがポイントです。ラウンドカットや深爪などの切り方は、爪の変形や食い込みを招くので控えましょう。爪に負荷をかけないためには、以下の方法でスクエアオフカットに整えるのがおすすめです。
- 爪が皮膚と同じぐらいの高さになるように長さを調整する
- 爪の先端を四角くカットする
- 両方の角を整え、少し丸みをつける
爪の割れを防ぐために、少しずつ慎重にカットしていきましょう。爪への負荷を減らすためには、爪切りではなく爪やすりを使用するのがおすすめです。
自分の足に合った靴を、正しく履く

初期の巻き爪を治すために、自分の足に合った靴を正しく履くことも重要です。以下のポイントを意識して、ご自身に合った靴を選ぶようにしましょう。
- つま先に余裕がある
- ヒールが高すぎない
- かかと部分が足に密着している
- マジックテープや靴ひもで調整できる
ヒールの高い靴を履くと、常につま先に重心が偏ってしまい、足の爪に過度な負荷がかかります。巻き爪を防ぐためには、ヒールが高すぎず、つま先部分に余裕がある靴を選びましょう。
また、靴を履くときにはかかとで地面をトントンとつき、靴に足首をしっかりつけた状態で、マジックテープや靴ひもなどでしっかりと固定してください。
歩き方を見直す
巻き爪を防ぐためには、正しい歩き方を心がけることが大切です。爪に適切な圧力をかけ、正常な形を保つための歩き方は、以下の通りです。
- つま先が正面に向くように、足を前に出す
- かかとから着地し、足裏全体に体重をかける
- 上半身が前方に出るタイミングで小指に重心をかけて、反対の足が前方に出るときに親指に重心がかかるようにする
- 親指をしっかり押して蹴り出す
歩行時は、頭頂部が1本の糸で上に引っ張られているのを意識し、背中をまっすぐ伸ばしましょう。
歩く機会を増やす

初期の巻き爪を悪化させないためには、普段の生活で歩く機会を増やしてみるのもおすすめです。歩く量が足りていないと、足に適切な圧力がかからず、爪が曲がりやすくなってしまいます。通勤や散歩など、1日のなかで少しでも歩く機会を作ってみましょう。
余裕がある靴を履いていると安心していても、足首や足の甲で足と靴がしっかりと固定されていないと、歩いている内に足が前に移動してつま先に負担がかかっている患者さんが多いです。靴の選び方だけでなく、履き方が重要となります。
正しい靴の選び方・履き方や歩き方について、以下の記事では画像付きで詳しく解説しています。
市販の矯正グッズを使用する
初期の巻き爪を治すためには、市販の巻き爪矯正グッズを使用するのもおすすめです。市販の矯正グッズには、以下のような種類があります。
- プレートタイプ
- クリップタイプ
- ワイヤータイプ
- バネタイプ
安い価格を重視したいのであれば、プレートタイプやクリップタイプがいいでしょう。爪の変形が進んでいる場合は、矯正力に優れたバネタイプやワイヤータイプが向いています。
扁平足・開張足の場合はインソールを活用する
扁平足や開帳足など、足の裏のアーチが崩れることによる不調が生じている場合は、巻き爪のリスクが高まります。そのような場合はインソールを活用して、足裏にかかる圧力のバランスを正常に戻し、不調の改善を目指すのがおすすめです。
初期の巻き爪で、痛みが出ている場合の応急処置
初期の巻き爪で、爪が皮膚に食い込んでいると痛みが生じる可能性があります。ここからは、痛みがある場合の応急処置についてご紹介します。
テーピング

テーピングは、テープを使って皮膚と爪の隙間を広げ、痛みを緩和する応急処置です。テーピングのやり方は、以下を参考にしてみてください。
<準備するもの>
- テープまたは絆創膏
<手順>
- テープを6~7cmほどにカットする(幅は2cm弱ぐらい)
- テープの角をカットして剥がれにくくする
- 爪にテープがかからないようにしながら、皮膚と爪の間ギリギリの部分にテープを貼る
- 裏側に引っ張り、らせん状に巻きつける
- テープが指の裏側を過ぎたあたりで貼る
テープをすべて貼ると皮膚がかぶれやすくなるので、指の裏側を過ぎたあたりまで引っ張ってから貼りましょう。
コットンパッキング
コットンパッキングは、ガーゼやコットンを使用して皮膚を保護する方法です。コットンパッキングの方法は、以下を参考にしてください。
<準備するもの>
- コットンもしくはガーゼ
<手順>
- コットンやガーゼを米粒ほどの大きさにちぎり、丸める
- 痛みがある部分の皮膚と爪の間に挟み込む
普段使っているコットンやガーゼで気軽に実践できる方法なので、ぜひ試してみてください。
症状が改善しない場合は、早めに医療機関を受診!

セルフケアで症状が改善しない場合は、皮膚科や形成外科、フットケア外来などを受診しましょう。医療機関では、以下のような治療を受けられます。
医療機関での治療方法 |
概要 |
クリップを用いた矯正治療(クリップ法) |
爪の彎曲を矯正し、爪端の皮膚への食い込みを改善する |
ワイヤーを用いた矯正治療(ワイヤー法) |
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プレートを用いた矯正治療 |
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ガター法 |
皮膚と爪の間にチューブを挿入する |
爪の部分切除 |
爪の角を斜めにカットして爪棘を取り除く |
手術治療 |
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爪トラブルの治療のために受診する医療施設の探し方は、以下の記事で詳しく解説しています。
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/column/when-it-becomes-an-ingrown-nail/
まとめ
今回は、初期の巻き爪の治し方や、痛みがある場合の対処法などについてご紹介しました。初期の巻き爪を治すためには、爪の切り方や靴の選び方、歩き方などを見直しましょう。市販の巻き爪矯正グッズを活用すれば、効率的な改善が見込めるでしょう。
セルフケアで初期の巻き爪を治したい場合は、巻き爪矯正器具「ネイル・エイド」の使用がおすすめです。ネイル・エイドは耐久性が高く、初心者の方でも簡単に使い続けられます。巻き爪を治して爪の健康を保ちたい方は、ぜひチェックしてみてください。
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【監修 埼玉医科大学 形成外科 簗由一郎医師】
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