高いヒールや足先がキュッと締まった靴などを履いていて、足に痛みを感じたことがある方もいるのではないでしょうか。実は靴の選び方によっては、巻き爪などの足トラブルを引き起こす原因です。
そこで今回は、巻き爪を悪化させない、予防するための靴の選び方についてご紹介します。正しい靴の履き方や歩き方についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
一般的に「巻き爪」と「陥入爪」という言葉は混同して使われている場合がありますが、「巻き爪」と「陥入爪」は別の状態を表します。
この記事ではわかりやすいように一部「陥入爪」を含めて「巻き爪」という言葉で表現している場合があります。違いについての詳細は解説記事を参照してください。
- 巻き爪=爪甲が彎曲した状態
- 陥入爪=爪甲が側爪郭に陥入し炎症を引き起こした状態
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/basic/#s5
巻き爪を悪化させない靴の選び方
ここからは、巻き爪を悪化させないための靴の選び方についてご紹介します。正しい靴の選び方を押さえておけば、巻き爪が完治したあとの再発予防にもなるのでぜひご覧ください。
つま先にゆとりのある靴
歩いているとき、足は靴の内部で前後に1cmほど動いているといわれています。足のつま先にゆとりがないと、歩くたびに足が靴にぶつかって爪に負担がかかってしまうのです。したがって、巻き爪を予防するためには足先に1〜1.5cm程度のゆとりがある靴を選びましょう。
足指の上部に余裕がある靴
多くの靴は、足先にかけて足の上部分が狭くなっていきます。しかし巻き爪になっている場合、靴の上部が詰まっていると圧力がかかって症状がひどくなる可能性があるのです。したがって巻き爪を悪化させないためには、足先の上部分にも余裕がある靴をおすすめします。
足の甲(足首)が固定できる靴
靴が足首部分で十分に固定されていなければ、歩いているときに足が前方向に動いてしまい、爪に圧力がかかって巻き爪が悪化するリスクがあります。こうした事態を防ぐために、マジックテープや靴ひもなどで足首と靴をしっかりと固定できる靴がおすすめです。
ヒールが高すぎない靴
巻き爪を悪化させないためには、ヒールの高い靴は避けましょう。ハイヒールを履くと歩く姿勢が崩れるだけでなく、足先に過度な負担がかかるからです。ヒールを履く場合は、2、3cmまでの高さにとどめるよう心がけてみてください。
巻き爪を悪化させない靴の履き方
せっかく足にやさしい靴を選んだとしても、履き方が誤っていれば足に負担がかかります。巻き爪を悪化させないためには、靴の正しい履き方についても知っておきましょう。
靴を履くときは、踵で床をトントンと叩き、靴と踵をあわせることがポイントです。足首の位置を正しくした上で、マジックテープや靴ひもで足を靴に固定しましょう。こうすることで、足が靴にうまくフィットして正しい姿勢で歩きやすくなります。
巻き爪を悪化させないために、歩き方にも注意しよう!
巻き爪を悪化させないためには、靴の選び方および履き方だけでなく、歩き方にも注意しましょう。歩き方が誤っていれば、巻き爪のリスクが高まってしまいます。とくに足の指を地面に付けずに歩く「浮き指」の癖がある場合は、爪に適度な圧力が加わらないので、爪の変形が起こりやすいのです。
爪に正常な圧力をかける正しい歩き方は、以下のポイントを押さえて行いましょう。
- 背筋を伸ばして正面を向き、足をまっすぐ前に出す
- 踵から着地して、足の裏全体に体重をかける
- 上半身が前方に出たら、反対側の足が床につくタイミングで母趾でしっかりと蹴り出すように歩く
巻き爪を予防するためには、足指をしっかりと使うこと、親指側に重心をかけることを意識しましょう。
正しい歩き方をすることで、足指に適切に力が加わり爪を下から持ち上げるため、巻き爪が予防されます。
また、正しい靴の履き方ができていない患者さんの場合、靴紐を縛るだけで足の痛みが良くなったとおっしゃる方も多くいるため、正しい靴の履き方を心がけましょう。
インソールで補助するのもおすすめ
加齢にともなって、足の靱帯がゆるくなることで足裏のアーチが崩れる傾向にあります。この状態だと、せっかく正しい歩き方を心がけても、足先まで圧力がうまく伝わらないケースも多いです。
したがって足裏のアーチが靴とフィットしていない場合は、インソールを敷いて補助するのもおすすめです。こうすることで、足裏全体に圧力がかかって正しい歩き方に近づけられます。
インソールは理想的にはオーダーメイドをお勧めしますが、適切なインソールを作って貰える場所を探すのが難しいという相談を受けることが多いです。
私もネット完結で作成可能なHOCOH(ホコウ)というオーダーメイドインソールを扱ってはいますので、興味があればご検討いただければと思いますが、35,000円程度と価格がしてしまいます。
ネットでアーチをサポートするタイプ(土踏まずを持ち上げる)のインソールが1,000円前後で販売されているのでそういったものを試すのも良いと思います。
オーダーメイドインソール HOCOH:https://store.shopping.yahoo.co.jp/himawari-corp/h001.html
巻き爪になった場合、病院に行ったほうが良い?
巻き爪になった場合、症状が軽度であればセルフケアで様子をみてみましょう。しかしセルフケアで改善されない場合や腫れている場合、痛みをともなう場合、化膿している場合などは早めに病院を受診してください。
病院を受診せずに巻き爪を放置していると、爪周りの症状が悪化するだけでなく、痛みをかばった不自然な歩き方によって腰痛や膝痛など全身に影響を及ぼす恐れもあります。
ここからは、自分でできる巻き爪のセルフケアと病院で受けられる治療についてご紹介します。
自分でできる巻き爪のセルフケア
巻き爪の症状が軽い場合は、以下のような方法でセルフケアを試してみてください。
- コットンパッキング法
- テーピング法
- 矯正グッズの使用
コットンパッキング法とは、皮膚と爪の間にガーゼやコットンを入れ込み、痛みを軽減させる方法です。またテーピング法とは、皮膚と爪の隙間をテープで広げ、爪の食い込みによる痛みを和らげる処置を指します。
コットンパッキング法およびテーピング法は、痛みや炎症を軽減させるための応急処置であり、根本的な治療にはなりません。一方で市販されている巻き爪矯正グッズを使うことで、変形した爪を改善させる効果が期待されています。
巻き爪矯正グッズをお求めの方には、耐久性と矯正力に優れた「ネイル・エイド」をおすすめします。ネイル・エイドは加工不要で簡単に使用できるので、初めて矯正グッズを使う方でも扱いやすいです。軽度の巻き爪を悪化させないために、ぜひネイル・エイドを手に取ってみてください。
病院で受けられる巻き爪の治療
巻き爪の治療は、皮膚科、フットケア外来、形成外科などで受けられます。病院で行われる治療としては、次のようなものがあります。
- クリップを用いた矯正治療(クリップ法)
- ワイヤーを用いた矯正治療(ワイヤー法)
- プレートを用いた矯正治療
- ガター法
- 爪の部分切除
- 手術治療
皮膚科やフットケア外来では、一般的に手術をしない保存的治療が行われます。保存的治療で症状が改善されない場合は、形成外科において手術が必要になるケースもあります。
巻き爪の治療は、矯正治療から手術治療まで多岐にわたります。
矯正治療はクリップやワイヤー、プレートなどを使用して爪の湾曲を矯正します。一方、手術治療は主に爪の幅を狭くして陥入を改善します。
ご自身の症状に合った治療を受けるために、巻き爪や治療に関する正しい知識を身につけましょう。
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/treatment/
まとめ
今回は、巻き爪を悪化させないための靴の選び方や履き方などについてご紹介しました。爪の形を正常に保つためには、今回ご紹介した靴の選び方や履き方、歩き方のポイントを押さえましょう。
また巻き爪が軽度の場合は、巻き爪矯正グッズである「ネイル・エイド」を使用してセルフケアを行うのがおすすめです。ネイル・エイドは着脱が簡単で上から靴を履いても違和感がないため、初心者の方でも扱いやすくなっています。巻き爪を悪化させたくない方は、ぜひチェックしてみてください。
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【監修 埼玉医科大学 形成外科 簗由一郎医師】