「陥入爪の原因は?」「陥入爪を防ぐにはどうしたらよいの?」と疑問に思われている方はいるのではないでしょうか。陥入爪の原因は多岐にわたり、放置していると深刻な炎症や疾患につながる恐れがあります。
そこで今回は、陥入爪の原因や対処法などについてご紹介します。陥入爪の原因を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
一般的に「陥入爪」と「巻き爪」という言葉は混同して使われている場合がありますが「陥入爪」と「巻き爪」は別の状態を表します。
この記事ではわかりやすいように一部「巻き爪」を含めて「陥入爪」という言葉で表現している場合があります。違いについての詳細は解説記事を参照してください。
- 陥入爪=爪甲が側爪郭に陥入し炎症を引き起こした状態
- 巻き爪=爪甲が彎曲した状態
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/basic/#s5
陥入爪の原因は?考えられる6つのこと
まずは、陥入爪の原因についてご紹介します。
原因1:深爪
爪の切り方が誤っていると、陥入爪が生じやすくなります。切りすぎ(深爪)やラウンドカット(バイアスカット)などの状態が続けば、爪の端が皮膚の内部に食い込み、歩くたびに爪に皮膚からかかる負担が大きくなるからです。
このような事態を防ぐために、日ごろから爪を短く切りすぎないように気をつけましょう。
陥入爪の予防では、爪の正しい切り方が重要です。
皮膚の形にそって丸くカーブを付けてカットしたくなるところですが、端が食い込まないように、カドを少し残して爪を切る(スクエアカット)のが、陥入爪とならないための重要なポイントです。
以下の記事では、画像付きで詳しく解説しています。
原因2:足に合わない靴
足に負担がかかる靴や、足に合わないサイズの靴を履くと陥入爪になりやすいです。つま先部分が細いハイヒールやきつすぎる靴を履き続けていると、足の爪が圧迫され、曲がったり皮膚に食い込んだりしやすくなります。靴から爪にかかる負担を軽減するためには、足のサイズに合った靴を履きましょう。
原因3:浮き指
浮き指とは、足の指を地面につけずに歩く状態のことです。浮き指が癖になっている方は、しっかりと指を踏み込んだ歩き方ができません。爪に適度な圧力がかからないので、爪が曲がりやすくなり(巻き爪の状態)、陥入爪のリスクが高くなります。
浮き指は骨格などが影響していることが多いですが、陥入爪の痛みによって浮き指になることもあります。浮き指になり指を踏み込んだ歩き方ができないと、巻き爪が進行します。巻き爪の進行は陥入爪を悪化させるため、「陥入爪→巻き爪の進行→陥入爪の悪化」という悪循環になることもあるので注意が必要です。
また、浮き指は陥入爪のほかにも腰痛や肩こりなどさまざまな不調の原因となります。浮き指の癖がある方は、浮き指を解消する歩き方のトレーニングをしましょう。
原因4:外反母趾・強剛母趾
外反母趾や強剛母趾など、足に何らかの不調が生じている場合は陥入爪のリスクが高くなります。足が変形していれば、歩行するときに正常な方向から足の爪に圧力がかかりません。爪に過度な負担がかかる歩き方になるので、足の爪が変形して皮膚に食い込みやすくなるのです。
また、適切な圧がかからないため巻き爪の原因となり、これが陥入爪を悪化させる要因でもあります。
このように足の不調が原因となっている場合は、外反母趾や強剛母趾の治療によって陥入爪の改善が期待できます。
原因5:オーバーサイズネイル
オーバーサイズネイルとは、先天的に爪の大きさが指と比べて大きすぎる状態のことです。オーバーサイズネイルの状態を放置していると、爪が指の皮膚に埋まり陥入爪になる恐れがあります。オーバーサイズネイルを改善するためには、爪母を含めた手術などを行います。
原因6:その他
陥入爪になるその他の原因として、ケガや爪水虫、体重増加による爪の圧迫、糖尿病の可能性などが考えられます。これらの原因を取り除くことによって、陥入爪の症状改善が期待できます。
陥入爪になってしまった場合の対処法
ここからは、陥入爪になってしまった場合の対処法についてご紹介します。
セルフケアをする
陥入爪の症状が軽度の場合は、セルフケアで様子を見ましょう。セルフケアのやり方には、以下のようなものがあります。
- コットンパッキング法
- テーピング法
- 矯正グッズの使用
コットンパッキング法とは、皮膚と爪の隙間にコットンなどを挟み込み、爪が刺さるのを防ぐ方法です。またテーピング法とは、テープや絆創膏などを用いて爪の周囲の皮膚を引っ張り、爪と皮膚の隙間を生じさせるやり方を指します。
軽い痛みであれば、セルフケアで症状が改善することも多いです。費用があまりかからない方法もあるので試してみることをおすすめします。
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/treatment/
セルフケアで陥入爪を治すなら、市販の矯正グッズを活用するのもおすすめです。そのなかでも「ネイル・エイド」は矯正力に優れているため、大きく変形した爪にも使用できます。初心者の方でも着脱可能なので、ぜひ試してみてください。
病院(医療機関)を受診する
陥入爪の症状が重度の場合は、爪を部分的に切除するような外科的治療が必要となる場合が多いです。病院で適切な治療を受けましょう。巻き爪の治療を受けられる診療科は、皮膚科、形成外科、フットケア外来などです。病院では、以下のような治療を受けられます。巻き爪が陥入爪の原因となっている場合、巻き爪を改善する矯正治療も有効です。
- 爪の部分切除
- 手術治療
- ガター法
- クリップを用いた矯正治療(クリップ法) ※
- ワイヤーを用いた矯正治療(ワイヤー法) ※
- プレートを用いた矯正治療 ※
※印は陥入爪の原因が巻き爪である場合の治療法
皮膚科やフットケア外来では、手術によらない保存的治療を行います。保存的治療で改善が見られない場合は、形成外科などで根治的な手術治療を行うこともあります。
巻き爪や陥入爪を適切に治療してくれる医療機関はまだまだ少ないと感じています。病院の探し方について記事で解説していますので、参考にしてください。
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/column/when-it-becomes-an-ingrown-nail/
生活のなかの原因を取り除く
セルフケアや病院治療で陥入爪を治しても、再び繰り返してしまっては意味がありません。陥入爪の再発を防ぐために、原因となる生活習慣を見直しましょう。生活のなかで気をつけたいポイントとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 正しい爪切りを行う
- 自分の足に合った靴を履く
- 爪の保湿を習慣にする
- ネイルをしている場合は、改善するまでお休みする
- 歩き方を見直す
- 歩く機会を増やす ※
- 矯正グッズを使う ※
※印は、陥入爪の直接的な予防ではなく、巻き爪の予防となります。特に陥入爪の痛みがひどい場合、あまり歩き過ぎないほうがいいです。巻き爪と陥入爪の違いについては以下の記事で詳しく解説しています。
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/basic/#s5
爪が乾燥すると爪が割れやすくなり、爪の端で皮膚に食い込む原因となります。とくにジェルネイルやマニキュアをしている方は、除光液の影響で爪が乾燥しやすくなるので、陥入爪が治るまではネイルをお休みするのが無難です。
また、爪が巻いていること(巻き爪の状態)が陥入爪の原因の場合、巻き爪を予防・ケアすることが陥入爪の予防になります。巻き爪の原因や予防、正しい爪の切り方などについては以下で詳しく解説しています。
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/selfcare/
まとめ
今回は、陥入爪の原因や対処法などについてご紹介しました。陥入爪の原因は多岐にわたるため、原因に応じたセルフケアや治療を施す必要があります。
陥入爪の原因が巻き爪で、症状が軽い場合、市販の矯正器具によるセルフケアがおすすめです。「ネイル・エイド」は矯正力と耐久性に優れ、変形の進んだ爪にも使用できます。誰でも着脱できる仕様になっているので、ご自身でケアしたい方はぜひ注目してみてください。
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【監修 埼玉医科大学 形成外科 簗由一郎医師】