形成外科専門医 簗 由一郎(最終更新日 )
巻き爪は、爪が内側に巻き込んでいる状態のことです。足の指で起こることが多く、放っておくと炎症や痛みなどが生じる恐れがあります。症状を悪化させないためにも、巻き爪には早めの対処が重要です。
巻き爪の治し方にはいくつかありますが、巻き爪の症状が軽度の場合、セルフケアで改善させることも可能です。今回の記事では、巻き爪に対するセルフケアの方法についてご紹介します。病院を受診すべき症状についても解説していますので、巻き爪の症状にお悩みの方、巻き爪の治し方を学びたい方はぜひ参考にしてみてください。
この記事の監修をお願いしている簗医師の、解説記事へのリンクを文中に掲載しています。より詳しく知りたい方は、簗医師の解説記事もご覧ください。
巻き爪で痛みが生じているなら、まずは応急処置をしよう
巻き爪によって痛みが生じている場合は、痛みを和らげるための応急処置をおこないましょう。応急処置の方法に、以下のようなものが挙げられます。
- コットンパッキング
- テーピング
コットンパッキングとは、コットンやガーゼを使って皮膚が傷つかないように保護する方法です。小さく丸めたコットンやガーゼを皮膚と爪の間に挟みこむことで、巻き爪による食い込みによる痛みを緩和します。
巻き爪の治し方 コットンパッキンの動画解説はこちらをご覧ください
テーピングとは、ドラッグストアなどで購入できるテープを使った応急処置です。テーピングには2つの方法があります。1つ目は、テープで皮膚を引っ張るように貼り、皮膚と爪のすき間を広げる方法です。2つ目の方法は、テープで足の指を包み込むように貼り、端の部分を皮膚と爪の間に挟みこみます。
巻き爪の治し方 テーピングの方法のついて画像や動画で詳しく解説しています。
テーピングに使うテープが手元にない場合は、自宅にある絆創膏での代用も可能です。ただし、応急処置だけでは巻き爪の根本的な解決にはなりません。応急処置で一時的に痛みを和らげたうえで、巻き爪の原因を取り除くケアをおこないましょう。
なお巻き爪の応急処置については、以下の記事でもくわしく解説しています。巻き爪の痛みにお悩みの方は、こちらもぜひ参考にしてみてください。
自分でできる巻き爪の治し方
自宅でできる巻き爪へのセルフケア方法についてご紹介します。
①矯正器具を使う
アイテムを使って巻き爪を改善させたい方は、市販の矯正器具を使用するのがおすすめです。市販の矯正器具には、以下のようなタイプがあります。
- プレートタイプ
- クリップタイプ
- ワイヤータイプ
- バネタイプ
巻き爪の程度が軽い場合には、プレートやクリップタイプの矯正器具がおすすめです。中〜重度の巻き爪を平坦に戻したい場合は、ワイヤーやバネタイプの矯正器具がおすすめです。プレートやクリップタイプよりも価格は高めですが、繰り返し使えるのでコストパフォーマンスに優れています。
以下のページで、動画や写真を使い矯正治療や、巻き爪の治し方について詳しく解説しています。ぜひ参考にして下さい。
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/treatment/#s3
②正しい爪切りをおこなう
※ダメな切り方の例 上記の写真は巻き爪のダメな切り方の参考例です。巻き爪を予防するために爪を丸くカットしないようにしましょう
巻き爪を改善および予防するためには、正しい方法で爪切りをおこないましょう。足の爪は、四角形の角を丸くする「スクエアオフカット」で切るのがおすすめです。スクエアオフカットは、以下の手順でおこないます。
- 爪の白い部分を1mmほど残して、直線になるように少しずつ切る
- 爪の両端の角を少し切って丸くする
爪の切り方をイラストで詳しく解説しています。
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/selfcare/#s2-3
③自分の足に合った靴を履く
巻き爪を改善させるためには、自分の足に合った靴を履くことが重要です。巻き爪を防止するためにおすすめの靴の特徴には、以下のようなものが挙げられます。
- つま先部分にゆとりがある
- ヒールが高すぎない
- かかと部分が足にぴったり合っている
- ベルトや靴紐で調節できる
つま先部分に十分な余裕があるか、かかと部分が足とぴったり合うかについては、正しい歩き方をするために重要なポイントです。また爪に過度な負担をかけないために、巻き爪が改善するまでヒールの高い靴は避けましょう。さらにベルトや靴紐などで調節できれば、足と靴をフィットさせやすくなります。
靴の履き方をイラストで詳しく解説しています。
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/selfcare/#s2-2
④歩く機会を増やす
歩く機会が少ないと、巻き爪になるリスクが高くなるといわれています。歩行の際に足の指が地面から適度な刺激を受けることで、爪は平坦な形に保たれます。つまり爪の形を正常に保つためには、日常的に適度に歩くことが効果的です。
歩行が少なくなると、巻き爪になってしまうのには理由があります。なぜ巻き爪になってしまうのかをイラスト入りで詳しく解説しています。
⑤歩き方を見直す
足の爪を変形させないためには、正しい歩き方を身につけるのも大切です。正しい歩き方のポイントは、以下のとおりです。
- つま先が正面を向くよう前に足を出す
- かかとから地面につき、足の裏全体に重心をかける
- 上半身が前に出たら重心を小指にのせ、反対の足が着地するときには親指側に重心を動かす
- 親指を押し出すイメージで着地を終わらせる
歩き方のイメージイラストも参考にしてください
歩く際は、頭のてっぺんが1本の糸で引っ張られているようなイメージを持つと背すじが伸び、姿勢がよくなります。巻き爪の治し方を学ぶうえで重要なポイントとなります。
⑥爪の保湿を習慣にする
爪は乾燥すると、硬くもろくなって外部からのダメージを受けやすくなります。爪を乾燥させないために、肌と同様に爪も保湿するのがおすすめです。ハンドクリームを塗るついでに、爪もしっかりと保湿するのを習慣にしましょう。
爪に柔軟性がなくなると巻き爪になったり、硬い爪が皮膚に食い込む陥入爪になったりします。
巻き爪が重度の場合は、一度病院で診てみもらおう
巻き爪の症状が軽度の場合は、上述したようなセルフケアで対応できます。しかし症状が重度の場合は、このような巻き爪の治し方でうまくいかない場合も多いです。その時は速やかに病院を受診しましょう。病院を受診すべき巻き爪の症状としては、以下のようなものが挙げられます。
- 腫れている
- 強い痛みがある
- 化膿している など
上記のような症状があれば、お近くの皮膚科やフットケア外来で診察を受けましょう。病院における巻き爪の治療法には、以下のようなものがあります。
- クリップを用いた巻き爪矯正治療(クリップ法)
- ワイヤーを用いた巻き爪矯正治療(ワイヤー法)
- プレートを用いた巻き爪矯正治療
- ガター法
- 爪の部分切除
- 手術治療
巻き爪が軽度の場合にクリップを使って爪の形を矯正する方法です。巻き爪の変形が強い場合は場合は、金属製のワイヤーで爪の変形を治す方法がより効果的です。両者の利点を合わせ持つのが、最新の巻き爪矯正器具のネイルエイドになります。
またガター法は、炎症を伴う巻き爪に対して痛みを和らげる方法です。その他、局所麻酔を行い、食い込んでいる爪を部分的に切除する方法もあります。
皮膚科やフットケア外来で治療を受けても治らない場合、より根治的な手術治療もあります。外科的な処置や手術を希望される方は、形成外科の受診をおすすめします。
巻き爪や陥入爪の手術治療についてはこちらの解説記事も参考にしてください。いろいろな巻き爪の治し方を試して効果がない場合は、手術治療も積極的に検討すると良いと思います。
巻き爪の治療全般を動画や写真で詳しく解説しています。
簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/treatment/
まとめ
今回は、巻き爪を自宅で改善させるセルフケアの方法についてご紹介しました。巻き爪を改善させるためには、爪の切り方や歩き方、靴の選び方などを見直して爪への負担を軽減させる必要があります。今回ご紹介した方法の多くは、巻き爪の改善だけでなく予防のためにも役立つので、ぜひ実践してみてください。
なお巻き爪を自宅で矯正するためのアイテムとしては「ネイル・エイド」がおすすめです。ネイルエイドは金属でできたワイヤー型の巻き爪矯正器具であり、初心者でも簡単に着脱できます。耐久性、耐腐食性に優れているので、長く使えるのもメリットです。自宅でのケアに矯正器具を取り入れたい方は、ぜひ以下のサイトからチェックしてみてください。
ネイルエイドの購入はこちらから:https://medical-media.shop/
【監修 埼玉医科大学 形成外科 簗由一郎医師】
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