巻き爪になってしまう原因とは?考えられる7つのこと・対処法を解説

爪が内側に曲がってしまう巻き爪。放っておくと、姿勢が悪くなったり、足腰に大きな負担がかかったりします。身体に不調が生じる前に、巻き爪の原因を取り除いて適切なケアを施すことが重要です。

 

そこで今回は、巻き爪の原因や対処法についてご紹介します。巻き爪の症状にお悩みの方や、巻き爪を予防したい方はぜひ参考にしてみてください。

 

専門医のワンポイントコメント
巻き爪をどうすれば予防できるかを理解するためには、巻き爪の原因を理解すること(どうして巻き爪になってしまうのか)がとても重要です。巻き爪の原因や予防を、イラストや写真を用いて詳しく解説しています。 さらに詳しく理解したい方は以下の解説も参考にして下さい

簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/selfcare/

巻き爪の原因として考えられる7つのこと

まずは、巻き爪になる原因として考えられる7つのポイントについてご紹介します。

原因1:間違った爪の切り方をしている

爪の切り方が間違っていると、巻き爪が生じやすくなります。深爪やラウンドカットの状態が続くと、爪の先端が皮膚のなかに埋もれ、外側からの圧力によって、爪が内側に曲がりやすくなります。

 

また、歩行時に爪を上に持ち上げる力が加わりづらくなることも、深爪が巻き爪を引き起こす原因となります。

 

こうした事態を防ぐためには、普段から爪を短く切りすぎないように、また爪の両端を丸く切りすぎないように注意しましょう。

原因2:足に合わない靴を履いている

巻き爪 原因②

や小さすぎる靴を履いて歩くと、靴によって足の爪が長時間押され続け、内側に曲がりやすくなるためです。靴による爪への負担を和らげるためには、足の大きさに合ったサイズの靴を選びましょう。

 

また、靴の選び方だけでなく、正しい履き方も重要です。靴ひもなどで足首や足の甲がしっかり固定されていないと、歩行時に靴の中で足が前に移動し、指先に負担がかかることもあるので注意しましょう。

 

専門医のワンポイントコメント
靴に関しては、選び方だけでなく履き方も重要です。 緩い靴を履いているつもりが、足首や足の甲が固定されていないため靴の中で足が前に動いてしまい、指先が圧迫されることもよくあります。

簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/selfcare/#s2-2

原因3:歩く量が少ない

療養中で歩けない人や寝たきりの人など、歩く量が少ない場合は巻き爪になるリスクが高いです。通常、歩行によって足に圧力が加わり、爪が平坦に保たれます。しかし足の運動が不足すると爪が曲がりやすくなってしまいます。

 

やむを得ない事情がなければ、健康的な爪を保つためにも適度に足を動かすよう意識してみましょう。

原因4:足の指に重心がかからない歩き方をしている

巻き爪 原因➂

足の指に重心がかからない歩き方をして歩いている人も注意が必要です。足の指を床につけずに歩行する「浮き指」タイプの人は、爪に適度な圧力がかからないので、爪が曲がりやすくなります。

 

浮き指は、巻き爪以外にも肩こりや腰痛などさまざまな症状の原因となります。浮き指の傾向がある人は、改善させる歩き方やトレーニングをしてみましょう。

原因5:扁平足・外反母趾などの影響

扁平足や外反母趾など、足に何らかの異常が生じている場合も巻き爪になりやすいです。足が変形していると、歩行時に足の爪に正常な方向から力が加わりません。爪に負担がかかる歩き方になるため、足の爪が曲がりやすくなります。

 

扁平足や外反母趾を治すためのケアを施すことで、巻き爪の改善が期待できます。

原因6:先天的な骨格の影響

巻き爪 原因④

遺伝や先天的な骨格の影響で、巻き爪になりやすい人もいます。元々爪が薄かったり、足の指に重心がかかりにくい骨格をしていたりする場合、爪が内側に折れ曲がりやすいためです。家族に巻き爪の方が多い場合は、歩き方や靴選びに注意して巻き爪予防に努めましょう。

原因7:爪が乾燥している

肌と同じように、爪も乾燥すると脆く傷みやすくなります。爪が乾燥していると外からの圧力を受けやすくなるので、巻き爪になる危険性が高まります。

 

スキンケアやハンドケアと同様に、足の爪も普段から保湿するように心がけましょう。とくにジェルネイルなどの薬品を爪に塗布すると、爪から水分が奪われやすくなります。ネイルをする方は、念入りに爪をケアしてください。

 

専門医のワンポイントコメント
爪の保湿には、クリームがおすすめです。 保湿だけでなく、塗るという行為そのものが足を触って観察することにつながります。 また、普段から足を清潔に保つことを心がけましょう。

簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/selfcare/#s2-4

手に巻き爪が起こるケースもある

巻き爪 原因⑤

巻き爪は足の指に起こることが多いですが、手の指に起こるケースもあります。手の指で巻き爪が起こる原因としては、以下のようなものが挙げられます。

 

  • 生まれつき爪が薄い
  • 深爪をしている
  • ジェルネイルによる爪の乾燥 など

 

こうした巻き爪の原因を取り除くために、手の指に関しても爪を短く切りすぎたり、乾燥させたりしないよう普段から心がけましょう。

巻き爪になってしまった場合の対処法

巻き爪になってしまった場合の対処法についてご紹介します。

 

セルフケアをする

巻き爪 原因➅

巻き爪の症状が軽度の場合は、セルフケアによって症状を改善させることが期待できます。巻き爪に対するセルフケアの方法としては、以下のようなものが挙げられます。

 

  • 矯正グッズを使う
  • 正しい爪切りをする
  • 足に合った靴を履く
  • 歩き方に気をつける
  • テーピングやコットン、絆創膏で痛みを和らげる

 

巻き爪の大きな原因として、深爪が考えられます。巻き爪を少しずつ矯正していくために、まず深爪のクセを治しましょう。とはいえ、爪を伸ばしすぎると爪がさらに皮膚に食い込んで痛くなります。常に爪の白い部分が少しだけ見えている状態を目指して、爪切りをしてみてください。

 

また、爪にかかる負担を軽減させるために、足に合ったサイズの靴を履きましょう。サイズは小さすぎても大きすぎても足への負荷が大きくなるので、サイズ選びは慎重に行ってください。歩く際には、足の指が床につくように意識しましょう。正しい歩き方を心がけることで、適度な圧力がかかり爪を平坦に保てます。

 

巻き爪になっている人のなかには、爪の食い込みによって皮膚に痛みが生じている人も少なくありません。

 

なお巻き爪の治し方については、以下の記事でもくわしく説明しています。気になる方は、こちらもぜひ参考にしてみてください。

医療機関を受診する

巻き爪 原因➆

セルフケアだけでは症状が改善されない場合は、皮膚科やフットケア外来を受診しましょう。フットケア外来や皮膚科では、以下のような治療法が行われます。

 

  • クリップを用いた矯正治療(クリップ法)
  • ワイヤーを用いた矯正治療(ワイヤー法)
  • プレートを用いた矯正治療
  • ガター法
  • 爪の部分切除
  • 手術治療

 

症状が軽い場合は、クリップを使って爪を平坦に近づけます。程度が重い場合は、爪の先に金属製ワイヤーを通す方法や、爪の根元にフック上のワイヤーをかける方法で巻き爪を矯正します。また、爪の表面に樹脂や金属のプレートを貼る矯正方法もあります。

 

炎症を伴う場合は、皮膚と爪の間にチューブを差し込んで炎症を和らげるガター法を実施します。

 

その他、局所麻酔をして食い込んでいる爪を部分的に切除し、痛みを改善させる方法もあります。

 

皮膚科やフットケア外来での治療で治らない場合、より根治的な手術治療もあります。外科的な処置や手術を希望される方は、形成外科を受診すると良いでしょう。

 

専門医のワンポイントコメント
巻き爪の治療は、ワイヤーなどの器具を用いた矯正治療から各種外科的治療(手術)まで多岐にわたります。 巻き爪や治療に関する正しい知識を身につけることで、安心して治療を受けられます。

簗医師の解説記事:https://medical-media.jp/treatment/

生活を見直し、原因を取り除く

巻き爪 原因➇

巻き爪の原因を取り除くためには、普段の生活を見直しましょう。たとえ医療機関を受診して治療したとしても、巻き爪を繰り返してしまっては意味がありません。上述した正しい爪の切り方や靴の選び方、歩き方などを見直して、爪に過度な負担がかからないようにしましょう。

まとめ

今回は、巻き爪の原因や対処法についてご紹介しました。巻き爪は、歩き方や靴のサイズ、爪の切り方などさまざまな要素が原因で爪に負担がかかって引き起こされます。巻き爪を改善するためには、医療機関で治療を受けるほかに正しいセルフケアを行うことが重要です。


巻き爪の主な原因として以下の7つの原因を解説しました。
原因1:間違った爪の切り方をしている
原因2:足に合わない靴を履いている
原因3:歩く量が少ない
原因4:足の指に重心がかからない歩き方をしている
原因5:扁平足・外反母趾などの影響
原因6:先天的な骨格の影響
原因7:爪が乾燥している

 

巻き爪を自分で矯正するアイテムとして「ネイル・エイド」の使用がおすすめです。ネイルエイドは簡単に着脱でき、爪にはめるだけで巻き爪の改善を目指せる矯正器具で、大学病院などでも採用されています。以下のサイトで購入できるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

 

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【監修 埼玉医科大学 形成外科 簗由一郎医師】