爪が下向きに生えてくる方は、実は少なくありません。そのような形をした爪のことを、「鷲爪(わしづめ)」といいます。鷲爪になっている場合、先天的な原因と後天的な原因が考えられますが、爪に問題が生じている場合は改善しなければなりません。
そこで今回は、鷲爪になる原因や治し方、爪の健康を維持するためのセルフケアなどについてご紹介します。鷲爪について理解を深め、健康的な爪を保ちたい方は、ぜひ参考にしてみてください
この記事の監修をお願いしている簗医師の、解説記事へのリンクを文中に掲載しています。より詳しく知りたい方は、簗医師の解説記事もご覧ください。不明な点は掲示板(https://medical-media.jp/bbs/)からご相談ください。
足の薬指(環趾 第4趾)は先天的な異常が出やすい部位になります。鷲爪のように爪が前に生え来る場合があり「先天性第4趾爪甲前方彎曲症」と呼ばれています。
お子さんの足なので心配されると思いますが、痛みや傷などがなければ、様子をみることが多いです。
以下の掲示板のやりとりでも詳しく説明していますので参考にしてください。
鷲爪(わしづめ)とは
鷲爪とは、爪が下向きに生えてくる状態のことです。鷲爪は、手足どちらの爪にも起こる可能性があります。とくに人差し指が鷲爪になっている方が多いですが、すべての爪が下向きに伸びてくる方もいます。
鷲爪の原因
鷲爪になる原因は、はっきりと明らかにはなっていません。ここからは、鷲爪の原因として考えられることをご紹介します。
爪の伸ばしすぎ
鷲爪であっても爪をきちんと短く切っていれば、そこまで気になることはありません。しかし、爪を伸ばしすぎていると、次第に爪が下向きになってきてしまう恐れがあります。
靴による圧迫
足の爪は通常前に向かって伸びますが、靴による圧迫が大きいと爪の先端が靴にぶつかり、下向きに伸びてしまうようになります。爪の向きを正常に保つには、自分に合ったサイズの靴選びが重要です。
足裏からの加圧不足
足の爪が鷲爪になる場合、日常生活で足裏から爪にかかる加圧が不足していることも関連していると考えられます。本来、歩行などによって地面を踏みしめることで、爪を下から押し上げようとする力が加わり、足の爪は前方に伸びます。
しかし歩く機会が少なかったり、正しい歩き方ができていなかったりすると、地面をうまく踏みしめられなくなり、足裏から正常な加圧がかからなくなるのです。その結果、爪にかかる力のバランスが崩れ、鷲爪などの爪トラブルが生じる恐れがあります。
生まれつき
鷲爪になる原因が、生まれつきの可能性もあります。親や兄弟などが鷲爪の場合は、遺伝によって鷲爪になっているのかもしれません。
鷲爪の治し方
鷲爪を治したい場合は、皮膚科などの医療機関か、ネイルサロンなどで対応してもらうのがおすすめです。ここからは、鷲爪の治し方についてご紹介します。
矯正治療を受ける
爪の形を根本から改善したい場合は、爪の専門外来や皮膚科を受診し、矯正治療を受けるのがおすすめです。クリニックごとに矯正方法や矯正器具は異なるので、事前に確認しておくと良いでしょう。
ネイルサロンで形を整えてもらう
クリニックで矯正治療を受ける他に、ネイルサロンで爪の形を整えてもらう方法もあります。この場合は爪の形を治すというよりは、ジェルやスカルプによって形を整えるといったイメージです。
爪の健康を維持するセルフケア
鷲爪などの爪トラブルを防ぐためには、日頃からネイルケアを行うことが大切です。ここからは、爪の健康を維持するためのセルフケアについてご紹介します。
保湿を心がける
爪の健康を維持するためには、こまめな保湿が重要です。爪の保湿には、ネイルオイルやネイル美容液を活用しましょう。爪やその周辺に油分や美容成分を浸透させることで、乾燥によるダメージを防ぎやすくなります。
ネイルオイルやネイル美容液を持っていない場合は、ハンドクリームでも問題ありません。手の保湿をするついでに、爪にもしっかりとクリームを塗りこみましょう。
栄養バランスの良い食事をとる
健康的な爪を維持するためには、爪に必要な栄養素をしっかり摂取することも大切です。とくに主成分であるタンパク質が不足していると、爪が弱くなりやすくなります。美しい爪の形をキープするためには、肉や魚、卵、大豆製品などからタンパク質を積極的にとると良いでしょう。
またタンパク質以外に、亜鉛や鉄分、ビタミン類も爪に良いとされています。亜鉛は牡蠣や赤身肉、鉄分はレバーや貝類、ビタミンは緑黄色野菜などに含まれているため、意識しながら食事に取り入れてみましょう。
正しい方法で爪を切る
鷲爪の悪化を防ぐためには、正しい方法で爪を切りましょう。爪の形は、丸い形や鋭利な形ではなく、「スクエアカット」に整えるのがポイントです。四角い形に切ることで、外部からの負担をうまく分散しやすくなります。
また爪の長さは、皮膚の先端と同じくらいの長さになるように調整しましょう。伸ばしすぎたり深爪にしたりすると、爪トラブルの原因となってしまいます。
足に合った靴を履き、正しい歩き方をする
足の鷲爪を防ぐためには、足に合う靴を履くことが重要です。靴を選ぶ際は、以下の項目を確認しましょう。
- つま先に余裕があるか
- 足指の上側に余裕があるか
- 足の甲、足首がしっかり固定されているか
爪に過度な負担をかけないためには、つま先や足指の上側に適度な余裕のある靴を選ぶのがおすすめです。また、足の甲や足首が固定されていないと、歩いているうちに足が前方に移動し、靴による圧力が爪に集中してしまいます。足の甲や足首がしっかり固定されているかどうかも、念入りに確認するようにしましょう。
また、靴の選び方だけでなく、正しい歩き方を心がけるのも大切です。正しい歩き方をすることで、足指に適度な圧力が加わり爪を下から持ち上げるので、鷲爪などの防止につながるでしょう。正しい歩き方は、以下の手順を参考にしてみてください。
- 背筋を伸ばして正面を向き、足をまっすぐに出す
- かかとから着地して、足裏全体に体重をかける。腕を自然に振る
- 上半身が前に出たら、反対の足が着地するタイミングで母趾を蹴り出すように歩く
なお、上記の歩き方は、鷲爪だけでなく巻き爪防止にも効果的です。
まとめ
今回は、鷲爪になる原因や治し方、爪の健康を維持するためのセルフケアなどについてご紹介しました。爪が下向きに生える鷲爪は、爪の伸ばしすぎや爪への圧力、生まれつきなどの原因で起こると考えられています。適切なネイルケアを行って、爪の健康を維持できるように努めましょう。
鷲爪と同じ爪トラブルとして、巻き爪も挙げられます。軽度の巻き爪にお悩みの場合は、巻き爪矯正器具「ネイル・エイド」を活用するのがおすすめです。ネイル・エイドは耐久性が高く、初心者の方でも着脱しやすい仕様に作られています。巻き爪を改善して健康的な爪を維持したい方は、ぜひチェックしてみてください。
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【監修 埼玉医科大学 形成外科 簗由一郎医師】
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